コラム

敗北ティモシェンコの往生際

2010年02月09日(火)15時03分

 ウクライナ大統領選挙の開票が99%以上終わった。ビクトル・ヤヌコビッチ前首相が、かつて「オレンジ革命」を主導した宿敵ユリア・ティモシェンコ首相を破って当選することが確実になった。

 しかしティモシェンコはドラマをつくり出す女。いまだ敗北を認めていない。このため支持者も対抗陣営も、彼女が再び街頭デモを計画しているのではないかと思い始めた。

 BBCのリチャード・ガルピンによると、その可能性は低い。


 欧州安保協力機構(OSCE)の選挙監視団は8日の記者会見で、選挙の様子を率直に評価した。

「昨日の投票は民主的な選挙を見事に象徴していた」と監視団のジョアン・ソアレスは語った。「ウクライナのすべての国民にとって、この選挙は勝利だった」

「同国の政治指導者は国民の判断に耳を傾け、政権の移行が平和的かつ建設的に進むよう万全を期すべきだ」

 上の2文だけでも、ティモシェンコの先手を打つのに十分かもしれない。

 不正選挙の根拠を示すことなく法廷や街角で選挙結果を争うことは、彼女の支持者にとっても受け入れ難いはずだ。


 今回はティモシェンコとヤヌコビッチの政策に大きな違いはないため、彼女がオレンジ革命のときのような熱烈な運動を起こせるとはとても思えない。

──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年02月08日(月)18時48分更新]


Reprinted with permission from FP Passport, 09/02/2010. ©2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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