『芸一報』には、「新編浪曲真打人気番附」という付録がつけられたこともある(図9)。「見立番付」は、愛好者と浪界を結ぶ媒体のひとつだが、いわゆる客観的なランキングだとは言い切りにくい。むしろ編者の裁量・思惑がさりげなく発揮される主観を含んだ表象形式である。
とはいえ、これらを比較対照すれば、浪曲史を知るための様々なヒントを得られるかもしれない。「新編」では、男女が一括して序列化されている。浪曲では「女流」は別途カテゴライズされるのが常なので、これは珍しい編集方針だ。
幸い、日文研アーカイブで、東京で発行された同年版の見立番付を閲覧できるので、対照してみてもいい(図10)。当時の一般的な番付のひとつであり、「女流」カテゴリーを見つけることができる。
vol.101
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