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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

まずは腹ごしらえ?ドイツ人の好物チーズケーキを食べて逃走した泥棒

©norikospitznagel 

ドイツ北部のアパートに住む男性は深夜、不法侵入した不審者を発見した。その男は、キッチンに座ってチーズケーキを食べていた。。。

腹が減っては戦はできぬ?

その事件は、ドイツ北部シュレースヴィヒ・ホルシュタイン州レンツブルクのバルト海運河沿いの通りにあるアパートで起こった。今年1月末の土曜日の夜、アパートの一室に男が侵入したものの、泥棒は金品を探す代わりに、先ずキッチンのテーブルにあったチーズケーキを味わっていた

彼が美味しそうにケーキを頬張っている間、数メートル離れたリビングに座っていた住人は、キッチンの物音に気付き、様子を伺いに。そこで目にしたのは、見知らぬ男が午後のコーヒータイムの残りのチーズケーキを食べていたのだ。

住人は侵入者に近づき声をかけた。しかし部屋に人がいるとは思いもしなかった男はあわてて1階(日本式2階)の窓から逃げ出し、屋根の上に消え去った。すぐに警察がケーキ泥棒を捜査したが、見つけることはできなかった。

チーズケーキを発見したのが運のつき、侵入者は単にお腹が空いていたのか、それとも自分の好きなケーキを食べずに入られなかったのだろうか?背景は定かでない。

犯人は身長約1.80メートル、黒髪であごひげを生やした男を捜しており、緑色の上着と黒いズボンを着用していたそうだ。警察は目撃者の出頭を求めていたが、その後の捜索で犯人を捕らえることができたのかどうかは不明だ。

チーズケーキがなかったら?

チーズケーキ以外には何も盗まれていないという今回のエピソード。では、チーズケーキではなく別のケーキだったら、犯人はどんな行動をとっていたのだろうか。ケーキには目もくれず、すぐ金品を探しまわったのか。リビングで住人と遭遇していたら...など、悪夢のようなシーンを想像してしまう。結局、損害はチーズケーキだけだったのが幸いだった。

そこで話はそれてしまうが、ドイツ人のお気に入りのケーキを調べてみた。オンライン上に様々な情報があがっている。その中でドイツ通信社dpa(Deutsche Presse Agentur)が委託調査した結果は?

1位チーズケーキ19%、2位フルーツケーキ16%、3位生クリームケーキ13%、4位ペストリーなどの小さな焼き菓子11%、5位チョコレートケーキ9%だった。

伝統的なドイツのチーズケーキ(あるいはクヴァルクケーキとも呼ばれる)は、クヴァルク、卵、ミルク、砂糖、小麦粉が主材料の焼き菓子。クヴァルクは、脂肪分20%と40%、または無脂肪のMagerquark などが販売されているが、チーズケーキに用いるのは無脂肪が主流。

ヨーグルトのような味のクヴァルクを用いるドイツのチーズケーキは、日本のチーズケーキより口当たりが軽く、フルーツを入れたり、生地なし(小麦粉なし)とバリエーションも様々。

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我が家でも人気のチーズケーキ、週末用にまた焼こうと思う。©norikospitznagel

 

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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