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匿名|ミャンマー

【ミャンマー記者投獄数激増】ニュースを受けて

在りし日のデモの様子 関係者提供

今日も雨季のミャンマーは雨がよく降る。
ミャンマーの雨季は合計では半年程あるのだが、毎年その半年で日本の一年の雨量をはるかに超える雨が降るそうだ。
ミャンマーの人の様々な考え方にこういった自然の影響はあるのだろうななどと考えてみる。

今日は気になるニュースがあったのでそれについて、好き勝手に語りたいと思う。
いつもお断りしていることではあるがあくまで私個人の見解である。

【ミャンマー】記者投獄急増 今月初めで収監32人(産経ニュースより)
という見出し。
ジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると、昨年12月で1人だったジャーナリストの投獄が今年2月1日のクーデター以降激増し、今月初めには32人になっていたということである。
「ジャーナリストにとって世界最悪の国の一つになった」と懸念を示したそうである。


コロナの裏で行われている事がこれである。
誠にふざけた話だ。
CPJというような団体が実態を発表し、かろうじてメディアがこれを取り上げてくれたから私も具体的な数字をもって実感することが出来るが、軍はコロナ対策もそこそこにこういった事だけは変わらず熱心にやっているようである。

そもそもの話なのだが、ミャンマーでは既に殆どのメディアはライセンスを剥奪されている。
報道の自由はもはやない。
もはやないのではあるが、勿論そういった表現を彼らの国営メディアで発することはない。
私も全てチェックしている訳ではないのでもしかしたら堂々と言っているかもしれない。
だとしても、それが国民のためだと宣うのであろう。
表現の自由という言葉すら消し去ろうかというような発言、行動。
2021年にもなって一体何を為そうとしているのか。

昨年、世界の選挙監視団が「不正はあったかもしれないが、結果が覆る程ではない」としたミャンマーでの総選挙でスーチー氏率いるNLDは2015年をも超える大勝した。
今回のクーデター(そもそも軍はこの表現も認めていない)を起こした大きな理由としてその不正を認めない為というのがあるが、世界の常識からすればそんなものはクーデターというような国をひっくり返すような理由にはならないはずである。
しかし、繰り返し、堂々と、ほぼ全てのメディアライセンスを剥奪した上で自分たちの国営メディアなどでそう発言している。
そして世界からの非難に対してもそう答えている。

厚顔無恥としか言いようがないのではあるが、もはや面の皮も厚くなっていないとクーデターなどは起こせないのかもしれない。
そんな心境など理解したくはないのだが、これからのミャンマーの憂いを少しでも減らすためにはそうも言っていられないのかもしれない。

これを読んでいる日本の皆さんの中には知らない方もいるかもしれないが、軍は「民主化を目指す」と言っているのだ。
これまでもそうしてきた。
これからもそうするつもりだと。
ただ、そのやり方は我々が主導する。
かいつまんで言うとこういう事なのだと思う。
我々こそが民主化までの過程を間違いなくやれる存在であると。
もはやそれは民主化ではないのだが、こんな事を堂々と世界に向けて発信してしまうのだからたまらない。

日本で閣僚がこんな発言をTVでしようものなら次の日には辞任だと思うのだが、不思議と今のミャンマーではそういったことは行われない。
日本で産まれ、日本で育った私からすると理解出来ない事ではあるが、こんな事がまかり通ってしまうのが今のミャンマーの現状である。
非常に悔しい思いをしているのは多くのミャンマー人ジャーナリストであり、国民であろう。

彼ら(軍の人間)の使う言語はミャンマー語だろうと英語だろうと理解に苦しみます。
似ているのでうっかりしてしまうことがありますが、全く逆の意味だったりありえない曲解が行われているようでまともに言葉のキャッチボールにならない。
ある意味共通の言語であるようで、その意味が全く理解しがたいのでまずそういったミスリードが起こらない為の通訳が必要だと思う。

彼らが使う「民主化」は恐らく軍による「独裁」である。
というようなところから辞書を制作するべきか。
ここまで皮肉たっぷりに言っても状況がよくなる訳ではないのでこの辺りにしたいとは思うが、とにもかくにも言論の自由、表現の自由の危機である。
香港やタイの大きなデモも潰され、ミャンマーでもこれが叶わないというのは何としても避けたいと思う。
まだここには希望があると信じたい。

たかだかこんな一つの記事で何が出来るとは思ってはいないが、日本と少なからず関わりがあるミャンマーという国でこんな事が起こっているという事を伝える事が出来ればと今日も筆を取った次第である。
引き続きこの国への関心を寄せていただければ幸いです。
私もいつまで出来るかわからないが、ミャンマーで暮らす人たち、そしてこの国へ関わる全ての人たちへの応援となるべく続けていきたいと願っております。

 

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