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ミャンマーに暮らす
ミャンマークーデターから3カ月
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信じられないような出来事から3カ月経った。
もう3カ月というような気もするが、まだ3カ月なのかという気もする。
途方もなく長い期間だったと感じるが、2月1日は、昨日のことだったような不思議な感覚がある。
これまでに民主化運動の犠牲として命を落とした人が700人以上。
今も不当に拘束されたままの人が3000人以上。
その全てが武器を持たない市民である。
何故この人たちがこんな目に合わなければいけないのか。
明確な答えを出せる人はどこにもいない。
この国はどこに向うべきなのか。
明確な答えを出せる人はいない。
私たちは学ばなければいけない。
今何が起こっているのか、これから何が起ころうとしているのか。
それが世界にどのような影響を与えるのか。
私自身、知らなかった事、わからなかった事も沢山ある。
それを共有することがもしかしたらこの国を救う事に繋がるかもしれない。
何が正しいか、答えは出ない。
答えは出ないが、一つだけ確かな事がある。
止まってしまった時が本当の敗北になる。
だから動き続けるしかないのだ。
知ってもらいたい、ミャンマーの事を。
感じてもらいたい、今のミャンマーを。
そして、出来れば一緒に考え、動いてもらいたい。
そもそも、何故こんな事が起こってしまったのか。
それを簡単に説明することは本当に難しい。
全てを私は知らないし、私が言っても届かないかもしれない。
そんな事を考えながらインターネットを見ていたら、こんな動画があった。
クーデタ―から3カ月というの機にこういう動画を出されたのだと思う。
歴史的な背景から、そしてアウンサンスーチー氏にしっかりと焦点を充てて説明されている。
ミャンマーで起こったクーデタ―の事をそこまで詳しくない方は凄く観やすい動画ではないかと思った。
知識的な事、情報的な事は専門家の方や、ジャーナリストの方にも力を貸していただきながら学んでいこうと思う。
それをわかりやすく共有しながら、現地より伝えたい事も沢山ある。
あまり知られていない事、そしてニュースにはならない事だがこれらは紛れもない真実だ。
こんな事が起こっている国で、そう冷静に物事は考えらないだろうことも理解していただけると、より今のミャンマーのリアルを感じていただけるのではないかと思う。
今回お伝えしたいのはそんな事実の一つ。
現在、ミャンマーでは強硬な民衆への弾圧が行われている。
それは場合によっては軍が武器を持っていない市民を一方的に殺りくするという手段も簡単に行われるレベルでの弾圧である。
「そんなことで?」
という事案で殺された市民がほぼ全てである。
勿論これがもっとも許されないことではあるが、今更に許されない事態が横行している。
今、国の全権を掌握したと宣う国軍に反意を示す国民は捕まえられてもしょうがないというルールがある。
そういう法律を作ったのである。
法律とはそんな簡単に作れるのかというようなインスタント法律である。
そのルールによると、鍋を叩いても捕まり、刑務所に入れられるのである。
驚きだ。
要するに、国軍はいつでもどんな時でもどんな理由を付けてでも国民を捕まえて良いという事なのである。
毎日国営テレビで20人ずつ指名手配の人間が発表されるらしい。
その人間のフェイスブックアカウントと共に顔や名前がさらされる。
なんと稚拙だと笑ってしまうようなやり方だが、本気でやっているのだからしょうがない。
そうして都合の悪い人間はどんどん捕まえられている。
最初はそうした事にも憤りを感じていたが、最近そのような人たちが捕まったというような情報の入り方が変わった。
特定の人物を捕まえる為、軍や警察などが、家や潜伏先などに押し入ったところ、本人がいなかった為、代わりにその場にいた別の人間を拘束したと言うのだ。
それは、親族だったり、恋人だったり、友人だったりする。
なんだそれは?
一体今はいつの時代なんだ?
ミャンマーはそんな前時代的な国ではなかったハズだが。
全権を握ったという軍人殿たちはそんな方法が世界で認められるとでも思っているのだろうか。
いや、もはや世界に認められる必要もないということか。
許されない事はこれだけではない。
怒りに全てを支配されるのは良くないのはわかっている。
しかし、この怒りもまたこの国の正しい力に成り得ると信じたい。
これまでのこと、これからのこと、そして今、この国で何が起こっているのか。
伝えていきたい。
伝えていかなければならない。
強くそう思う。
クーデタ―が始まって3か月。
しかし、この国の人々はもっと昔からずっと国軍と戦っていたのだ。
沢山の声が聞こえてくる。
私はただ、それを伝えたい。
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