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カリフォルニア法廷だより

伊万里穂子|アメリカ

法曹界はムラ社会

Chris Ryan Istockphoto

法曹界は良くも悪くもムラ社会です。

検事もその敵対する国選弁護士もその案件を判断する裁判官もみんなたいてい同じ法学部へ行き、みんな同級生。週末にはみんなで同じカントリークラブのゴルフ場でゴルフをしているような状態です。

私の勤める裁判所の地域には法学部が3軒ありますが、弁護士や裁判官の9割のそのどれかの卒業生です。なので大体みんな誰かの友達、誰かの知り合い、という割と閉塞的な風通しの悪いムラ社会です。

恋愛もこのムラ社会の中で起こるので、誰かのお下がりの嫁をもらうという事ももちろん起こるわけで、裁判官同士同じエレベーターに乗らない、という事も起こっています。

おばあさん、お母さんと裁判官だったという法曹界のサラブレッドの家系から来ている女の裁判官の元夫はもちろん裁判官で、その人が他の裁判官と不倫した上に離婚、再婚したので、その四人は同じエレベーターには乗らないし、会議の時も周りに緊張感が走り、他の裁判官達もとても居心地が悪いというのは有名な話でした。

裁判官同士ばかりでなく、弁護士達もなんか異様に仲が悪いなと思うと数年前に離婚したばかりだった、という話もザラです。

こんなに風通しの悪いムラ社会居心地が悪いだろうな、と思いますが、みんな20代から同じ輪の中にいるのであまり気づかないようです。

 

Profile

著者プロフィール
伊万里穂子
大学中退後カリフォルニアに移住。海外で手堅い職業をと思い立ち公務員に。裁判所の書記官になる。勤続18年目たった一人の日本人書記官として奮闘中。ブログ「リフォルニア法廷毒舌日記で日々社会の縮図とも言える法廷内で繰り広げられる人間模様を観察中。著書:「お手本の国の嘘」新潮新書

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