アメリカを非常に誇りに思うアメリカ人が過去最低(世論調査)
People Who Are 'Extremely Proud' Americans at Record Low This July 4: Poll
独立記念日のパレードへの銃撃後、通りに残された星条旗柄の毛布(7月4日、シカゴ郊外) Cheney Orr- REUTERS
<繰り返される銃乱射事件や中絶を禁止する風潮など、アメリカがどこかおかしい。アメリカ人自身もそう思い始めている>
2022年7月4 日の独立記念日を前に実施された調査で、アメリカ人であることを「きわめて誇りに思う(extremely proud)」と回答した人の割合が史上最低を記録した。
調査会社ギャラップが6月29日に発表した世論調査結果では、アメリカ人であることを「きわめて誇りに思う」と回答した人はアメリカの成人の38%で、ギャラップが国民の誇りに関する調査を始めた2001年以降では最低の数字となった。また、アメリカ人であることを「とても誇りに思う(very proud)」と回答した人は27%、「ある程度、誇りに思う(moderately proud)」と回答した人は22%だった。一方、「少しだけ(only a little)誇りに思う」と回答した人は9%、「まったく誇りに思わない(not at all)」は4%だった。
「アメリカはおかしい」自覚の表れ?
アメリカ人の多くは現在、さまざまな問題に心を乱されている。今も消えない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への不安に加えて、40年ぶりの高水準となったインフレ率。また今回の世論調査は、子ども19人を含む合計31人の死者を出したニューヨーク州バッファローとテキサス州ユバルディの銃乱射事件から間もない時期に実施されたことから、調査結果がそうした最近の事件の影響を受けている可能性もあるギャラップはいう。
ただし、今回の調査結果がまとめられたのは、人工妊娠中絶に関して米連邦最高裁が判断を下す前のこと。調査がもう少しあとに実施されていたら、6月中旬に超党派で合意に達した銃規制法案とともに、最高裁の判断が調査結果にさらなる影響を与えた可能性がある、とギャラップは述べている(注:さらに独立記念日当日には、シカゴ郊外でお祝いのパレードを狙った銃撃事件が発生、6人が死亡、多数が負傷した)。
ギャラップの調査において、アメリカ人であることを「きわめて誇りに思う」と回答した人がこれまでで最も少なかったのは2020年で、42%だった。ただし、今回の「きわめて誇りに思う」の38%に、「とても誇りに思う」の27%を加えると合計65%になり、2020年の割合を2ポイント上回る。
とはいえギャラップによれば、この調査の長期的な平均値は「きわめて誇りに思う」が55%、「きわめて/とても誇りに思う」の合計が80%で、今回の結果はそれをはるかに下回っている。「2015年以前は、じつに55%の米国の成人が、きわめて誇りに思うと回答していた」ともギャラップは指摘しする。それが2018年までに過半数を割り始め、いまや、10年前の割合をおよそ20ポイント下回っている。