最新記事

独立記念日

アメリカを非常に誇りに思うアメリカ人が過去最低(世論調査)

People Who Are 'Extremely Proud' Americans at Record Low This July 4: Poll

2022年7月5日(火)18時42分
ジョン・ジャクソン

独立記念日のパレードへの銃撃後、通りに残された星条旗柄の毛布(7月4日、シカゴ郊外) Cheney Orr- REUTERS

<繰り返される銃乱射事件や中絶を禁止する風潮など、アメリカがどこかおかしい。アメリカ人自身もそう思い始めている>

2022年7月4 日の独立記念日を前に実施された調査で、アメリカ人であることを「きわめて誇りに思う(extremely proud)」と回答した人の割合が史上最低を記録した。

調査会社ギャラップが6月29日に発表した世論調査結果では、アメリカ人であることを「きわめて誇りに思う」と回答した人はアメリカの成人の38%で、ギャラップが国民の誇りに関する調査を始めた2001年以降では最低の数字となった。また、アメリカ人であることを「とても誇りに思う(very proud)」と回答した人は27%、「ある程度、誇りに思う(moderately proud)」と回答した人は22%だった。一方、「少しだけ(only a little)誇りに思う」と回答した人は9%、「まったく誇りに思わない(not at all)」は4%だった。

「アメリカはおかしい」自覚の表れ?

アメリカ人の多くは現在、さまざまな問題に心を乱されている。今も消えない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への不安に加えて、40年ぶりの高水準となったインフレ率。また今回の世論調査は、子ども19人を含む合計31人の死者を出したニューヨーク州バッファローとテキサス州ユバルディの銃乱射事件から間もない時期に実施されたことから、調査結果がそうした最近の事件の影響を受けている可能性もあるギャラップはいう。

ただし、今回の調査結果がまとめられたのは、人工妊娠中絶に関して米連邦最高裁が判断を下す前のこと。調査がもう少しあとに実施されていたら、6月中旬に超党派で合意に達した銃規制法案とともに、最高裁の判断が調査結果にさらなる影響を与えた可能性がある、とギャラップは述べている(注:さらに独立記念日当日には、シカゴ郊外でお祝いのパレードを狙った銃撃事件が発生、6人が死亡、多数が負傷した)。

ギャラップの調査において、アメリカ人であることを「きわめて誇りに思う」と回答した人がこれまでで最も少なかったのは2020年で、42%だった。ただし、今回の「きわめて誇りに思う」の38%に、「とても誇りに思う」の27%を加えると合計65%になり、2020年の割合を2ポイント上回る。

とはいえギャラップによれば、この調査の長期的な平均値は「きわめて誇りに思う」が55%、「きわめて/とても誇りに思う」の合計が80%で、今回の結果はそれをはるかに下回っている。「2015年以前は、じつに55%の米国の成人が、きわめて誇りに思うと回答していた」ともギャラップは指摘しする。それが2018年までに過半数を割り始め、いまや、10年前の割合をおよそ20ポイント下回っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国軍が東シナ海で実弾射撃訓練、空母も参加 台湾に

ビジネス

再送-EQT、日本の不動産部門責任者にKJRM幹部

ビジネス

独プラント・設備受注、2月は前年比+8% 予想外の

ビジネス

イオン、米国産と国産のブレンド米を販売へ 10日ご
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中