最新記事

韓国

韓国人が「嫌いな国」、中国が日本を抜いて第2位に浮上

2017年3月24日(金)16時36分
エレノア・ロス

中韓関係悪化の余波で閉店した中国・杭州市のロッテマート REUTERS

<THAAD配備をめぐって中韓関係が悪化する中、これまで長らく北朝鮮に次いで「嫌いな国」第2位だった日本を中国が追い抜いた>

過去数十年、日本と韓国の関係はぎくしゃくしていた。戦前に日本が朝鮮半島を併合し、日本の支配下では様々な蛮行があった。そんな歴史的背景から、韓国は日本をずっと毛嫌いしてきた。

しかし韓国のシンクタンク、アサン(峨山)政策研究院が今週発表した調査結果によると、韓国国民の間で中国への反感が高まる中、これまで北朝鮮に次ぐ「嫌いな国」2位だった日本が中国に抜かれたことがわかった(最も「嫌いな国」が北朝鮮なのは変わらず)。

「最も好き」の10から「最も嫌い」の0までの点数で評価するこの調査で、中国は昨年の調査結果の5点から急落して、今回は3.21点だった。日本は昨年と変わらず3.33点だった。

韓国世論の変化は、北朝鮮からのミサイルを迎撃する米軍の最新鋭ミサイル防衛システムTHAAD(高高度防衛ミサイル)の韓国への配備をめぐって、中国との関係が悪化していることを反映している。中国は度々、THAAD配備は中国の安全保障上の脅威だと韓国を非難している。

【参考記事】THAAD配備へ中国が「韓国叩き」 次なる標的は米国か

中国の王毅外相は、昨年公表した声明で、「(THAAD配備は)関係国が必要な防衛を逸脱している。もし配備されれば、中国とロシアのそれぞれの安全保障戦略に直接に影響することになるだろう。朝鮮半島の核問題の解決を脅かすだけでなく、すでに緊張が高まっているところへ、火に油を注ぐことになる。さらに朝鮮半島の軍事的均衡を崩してしまう可能性もある」と述べている。

韓国製品ボイコットを呼びかけ

今年2月、中国はアメリカと韓国の双方に対して、米韓合同軍事演習に参加する部隊の数を減らし、規模を縮小するよう求めた。

この演習では毎年、北朝鮮からの攻撃を想定した実戦演習が行われているが、中国は今月、朝鮮半島の緊張緩和のために軍事演習を縮小するべきだと強く主張した。

【参考記事】サードは無力? 北朝鮮の新型ミサイルは米韓の戦略を無効にする

今年の軍事演習に対して、北朝鮮は例年にも増して神経を尖らせ、「我々の自主権が行使される領域にたった一つの火の粉でも落とせば、無慈悲な軍事的対応が開始されるだろう」という警告を出している。

中国は昨年以降、韓国へのTHAAD配備を批判し、韓国が中韓関係を脅かしていると警告していた。そして今年2月になると、中国政府やメディアは、韓国製品や韓国への観光旅行のボイコットを呼び掛け、特にTHAAD配備の用地を提供したロッテグループの中国国内のショップなどが標的になっている。

ただし、日韓関係が好転したわけではない。いわゆる従軍慰安婦問題に関しては、2015年に、日本側が「お詫びと反省」の気持を示し、この問題の最終的な解決とすることで日韓両国が合意に達した。しかし昨年12月、プサンの日本総領事館前に慰安婦像が設置され、反発した日本政府が長嶺駐韓大使を帰国させるなど、日韓関係は最近になって再び冷え込んでいる。

【参考記事】慰安婦問題、歴史的合意を待ち受ける課題



promotion.jpgニューズウィーク日本版 2/27号
特集:韓国人の本音 ピョンチャン五輪と南北融和


平昌五輪での北朝鮮の融和外交が世界を驚かせたが、当の韓国人は南北和解と統一をどう考えている?

ルポ 「南北融和」韓国人のホンネ
メディア 保守vs革新の埋まらない溝
視点 半島外交の主導権を取り戻した文在寅



【紙版】
amazon.pngrakuten.png7net.png

【デジタル版】
kindle.pngkobo.pnghonto.pngbooklive.png

ニューズウィーク日本版 教養としてのミュージカル入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月17号(3月10日発売)は「教養としてのミュージカル入門」特集。社会と時代を鮮烈に描き出すポリティカルな作品の魅力[PLUS]山崎育三郎ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏 、 ホルムズ海峡に多くの国が軍艦派遣と

ビジネス

イラン情勢注視続く、FRB金利見通しも焦点=今週の

ワールド

イスラエル、レバノンと数日内に協議へ ヒズボラと戦

ワールド

北朝鮮の金総書記、多連装ロケット砲の発射訓練視察=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 5
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 10
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中