夏休みの帰省渋滞も解消? 20年後の高速道路をつくる3つの技術とは
そう遠くない未来だが、想像してほしい。
あなたは自動運転車で高速を走っているとする。すると、突然車が速度を落とし始めた。あなたは何かと思い手元のスマートフォンをいじるのをやめ、窓の外に視線をやると、道路のLED表示に「1000フィート(304.8m)先 落石注意」という案内が表示されている。なるほどと納得したあなたは再び手元に視線を戻し、車はLEDの車線表示変更にあわせて即座に車線変更をおこなった。
将来の高速道路はこんな感じになるのだろう。この「スマートハイウェイ」構想は、太陽光発電技術やその他技術を道路に取り入れることで自動運転車の機能向上を狙ったものである。スマートハイウェイの主要な技術は、太陽電池道路、ワイヤレス充電、そして高度道路交通システムの3つだ。
それら技術を1つずつ見ていこう。
太陽電池道路
米国全土は、太陽にさらされたアスファルトで31,000平方マイル以上を覆われている。太陽光パネルがこのすべてをカバーすることを想像してみてほしい。高速道路1マイルあたり80世帯分のエネルギーをまかなえるとして、31,000平方マイルあれば米国全土の電力消費の3倍をまかなえる計算となる。
Solar Roadways社は六角形に組まれた太陽光パネルからなる道路を開発した。車線を塗装することで太陽電池を破損しないよう、車線などの表示には内蔵のLEDを使うとのことだ。LEDを使うことの利点はこれだけではない。特定の場所にいるドライバーに直接メッセージを送ったり、事故の際にもすぐに車線を変更することができる。また、太陽電池道路の低消費電力は、路面の表面温度を常に0℃以上に保つため、スリップなどによる事故の防止にも有効だ。
ミズーリ州運輸省は、ルート66沿いに太陽発電を使った最初のスマートハイウェイを作る計画を発表している。