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動物ゲイのペンギンカップルを引き裂くな
仲睦まじいオスのペンギン2羽をトロント動物園が別れさせたというニュースに世界中から非難が殺到
ゲイ差別? 仲を引き裂かれたペドロ(右)とバディー(11月8日) Mark Blinch-Reuters
カナダのトロント動物園が「ゲイのペンギンカップル」の仲を引き裂いた――そんなニュースが世界を駆けめぐり、非難の嵐を巻き起こしている。
悲しい別離を強いられたのは、絶滅危惧種に指定されているケープペンギンのバディーとペドロ。カナダのグローブ・アンド・メール紙によれば、このオス2羽は以前、米ペンシルベニア州ピッツバーグの国立鳥園にいた頃に深い絆を築いたという。
トロント動物園に引っ越した後も仲の良さは変わらず、互いに求愛や交尾のしぐささえ見せていたことから「ゲイのペンギン」と呼ばれるようになった(動物園の飼育員はバディーとペドロが性的に引かれ合っているとは限らないとしている)。
同性愛者への蔑視に満ちた決断
一方トロント動物園のジョー・トルジョック代表は、「これは複雑な問題だが、彼らは何らかの愛情関係にあるようだ」とトロント・スター紙に語った。
動物園がバディーとペドロを別れさせたのは、この絶滅危機種を繁殖して遺伝子を残すため。しかしこの決断は世界の猛反発を招く羽目になったと、グローブ・アンド・メール紙は報じている。
米テレビ司会者のジミー・キンメルは「ブロークバック・マウンテン」ならぬ「ブロークバック・アイスバーグ(氷山)」だと品のないジョークを飛ばした。しかし世界から集まる声の多くは、動物園を激しく非難するものだ。
アンフェアで心の痛む行為だとする声がある一方で、動物園はバディーとペドロに生殖だけが目的の昔ながらの「セックスマシン」になるよう強要していると非難する声もある。
今回の一件は差別的だと指摘する声も上がっている。オンラインのニュースメディアであるゴーカーは、動物園の決断は「悪質で同性愛者への偏見に満ちている」としている。
トロント動物園の職員トム・メイソンはナショナル・ポスト紙に対し、動物園としては絶滅の危機に瀕するケープペンギンを守るためにバディーとペドロにメスとの交尾を促さなければならないと語った。「もし彼らの遺伝子が貴重でなければ、やりたいようにさせている」
メスと交尾に成功しさえすれば、バディーとペドロが寄りを戻してもかまわないという。しかし一度引き裂かれた愛が、元に戻るとは限らない。