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ポーランド墜落死の原因は大統領自身だった?
ポーランドのカチンスキ大統領夫妻や多くの要人を乗せた飛行機が4月10日にロシア西部で墜落したが、原因は悪天候の中で着陸を強行したためのようだ。カチンスキは以前から操縦士に圧力をかけて不必要な危険を冒す傾向があったと報じられているが、米政府が得た情報もそれを裏付けている。
注目すべき事例は08年のロシアによるグルジア侵攻のときのこと。操縦士が危険過ぎると主張しても、カチンスキはグルジアの首都トビリシに向かえと何度も迫ったという。操縦士は命令に従わず、隣国アゼルバイジャンに針路を変更。カチンスキは陸路でグルジアに向かわざるを得なかった。
一部報道によると、この操縦士は命令違反で裁判にかけられそうになった。この一件で鬱病に苦しむようになったともいう。
ロシア陰謀論もあったが
今回の墜落事故の直前、現場付近は濃霧のために極めて視界が悪く、航空管制官は別の空港に着陸するよう繰り返し勧告していた。
ポーランドとロシアの歴史的な確執からすると、今回の事故がロシアの陰謀だとして緊張が高まりかねなかった。だが大半のポーランド国民は、事故の原因は操縦ミスだと認めているようだ。同国政府の報道官はロシアの対応を称賛。これを機に両国の関係が改善するかもしれないと言う。
[2010年4月28日号掲載]