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モスクワ自爆テロ、さらなる連鎖の予告

チェチェン独立派が犯行声明ビデオを発表。今後もロシアの一般人を狙い続ける理由とは

2010年4月2日(金)16時22分
マーク・ホーゼンボール(ワシントン支局)

市民も敵 自爆テロがあったモスクワの地下鉄ルビャンカ駅(3月30日) Vladimir Davydov-Reuters

 3月29日にモスクワの地下鉄で発生した連続自爆テロについて31日、犯行を認めるビデオ声明が発表された。声明を出したのは北カフカス地方にあるチェチェン共和国のイスラム過激派の指導者ドク・ウマロフ。ビデオはチェチェン独立派のサイト「カフカス・センター」に掲載された。

 米政府の専門家たちはこの声明には「信憑性がある」とみていると、米政府のあるテロ対策担当者は語る。

 声明の中で、ウマロフは犯行の動機について、ロシアの治安部隊への報復だと主張。彼らは今年2月に北カフカス地方にあるイングーシ共和国のチェチェン国境近くの村で、ニンニクを収穫していた貧しい農民らを虐殺したというのだ。この治安部隊はロシアの主要な治安・情報機関であるロシア連邦保安局(FSB)に属しており、「無実の住民をナイフで始末」して死体を「ゴミ扱いした」と、ウマロフは主張している。

 テロ専門家のエバン・コールマンの仮翻訳によると、ウマロフは今回の自爆テロはカフカス地方における度重なる住民殺害に対する正当な対応だと考えているようだ。「治安管理を補うためにカフカス地方にギャング集団を送り込み、虐殺を行なう」ロシアに対し、今後も攻撃を続けると語っている。

 さらにロシア市民に対しても非難を浴びせている。「カフカス地方の戦争をテレビでぼんやり眺めているだけだ......ウラジーミル・プーチン首相の指揮の下で、カフカス地方へ送り込まれるギャングの行き過ぎた行動や犯罪に対して何もしない」

 声明の最後はこんな警告で終わっている。「だから戦争はお前たちの町にもやって来る。お前たちは自分自身の命と肌でそれを感じることになる」

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