新型コロナのワクチン、生理痛や周期に影響? 英で3万人が報告
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<新型コロナのワクチン接種を受けた女性が、生理痛がひどくなった、生理周期が乱れた、などの報告が、英国や米国で相次いでいる>
英国では3万人以上が月経異常を報告
新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた女性から、生理痛がひどくなった、生理周期が乱れた、などの報告が、英国や米国で相次いでいる。英国での月経異常に関する報告は3万件以上に上っており、詳しい調査が求められている。一方で米国では、1年かけて新型コロナのワクチンと月経異常の関連性を調べる研究が開始される予定だ。
英国では、医薬品や医療器具に有害な事象が発生した際に、医薬品・医療製品規制庁(MHRA)に報告する「イエローカード」という制度がある。新型コロナに関しては、特設サイトが設けられており、ここからワクチンの副反応や検査キットなどに関する事象を報告できるようになっている。
新型コロナのワクチンで生理に異常が起きたとする報告も、この制度を通じて多数寄せられている。英ロンドンのインペリアルカレッジ・ロンドンで生殖免疫学を教えるビクトリア・メイル博士が、9月16日付けの英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)で明らかにした。
MHRAは、新型コロナウイルスのワクチン接種後に見られる一般的な副反応として、腕の痛み、発熱、疲労感、筋肉痛などを挙げている。しかしメイル博士によると、9月2日までにイエローカードを通じて寄せられた、月経異常に関する報告(生理の周期が乱れた、生理痛がひどくなった、生理が重くなったなど)は、3万件以上に上る。
多くの場合、ワクチン接種直後の生理が乱れただけで、次の周期では通常通りに戻ったという。また、生理の乱れが報告されたワクチンの種類は、現在英国で使用されている全種類となる、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカだ。そのためメイル博士は、ワクチンに含まれる成分が原因というより、ワクチンそのものにホルモンが反応している可能性があるとみている。
ワクチン接種でなぜ月経異常に?
MHRAは、ワクチン接種人数や一般的に生理不順を抱えている人の数と比べ、ワクチンを接種した後に生理が乱れたとする報告の数が少ないこともあり、ワクチンと月経異常には関連性がないとの見解を示している。
この問題を報じた英デイリーメールは、出産可能年齢の女性のうち最大で4分の1の人が、月経異常を経験するとしている。多くの場合、ホルモンの変化やストレス、身体疾患、薬などが原因だ。
メイル博士自身もBMJの記事の中で、ウイルス感染を含むさまざまな刺激によって免疫系が活性化されたときに、生理周期が影響を受ける可能性があると書いている。
しかしメイル博士は、若い女性がワクチン接種を躊躇(ちゅうちょ)する原因は主に、「不妊になるかもしれない」という誤った情報に基づくと指摘。ワクチン接種による生理への影響をきちんと調査することが、ワクチン・プログラムの成功にかかっていると主張している。