「セックス・アンド・ザ・シティ」がサマンサ抜きで復活する必然
今回は、サマンサ抜きになりそう...... REUTERS/Kieran Doherty
<「セックス・アンド・ザ・シティ」が11年ぶりに復活する。これまでも何度か企画段階までいっても実現に至らないことがあったが、今回は実現しそうだ......>
映画版2作目から11年、「セックス・アンド・ザ・シティ」の続きが、ようやく実現する。それも、映画ではなく、初心に戻って(?)、テレビドラマ形式での復活だ。ただし、今回は、以前のようなプレミアムケーブルチャンネルのHBOでの放映ではなく、ワーナーメディアが昨年5月に立ち上げたHBO Maxでの配信となる。
10話構成で、タイトルは「And Just Like That....」。配信開始がいつなのかはわかっていないが、この春にも撮影が開始されるそうで、ファンとしては大いに心がときめいてしまう。そして、今回こそは、本当に信じて良さそうだ。と言うのも、今回は潰れる理由がないのである。サマンサが出ないのだ。
サマンサを演じるキム・キャトラルをめぐるトラブル
「セックス・アンド・ザ・シティ」のファンは、これまでに何度か裏切られてきた。映画1本目は、テレビシリーズの終了後すぐにできるはずだったのに、その企画は頓挫してしまっている。サマンサを演じるキム・キャトラルが、ギャラの件で揉めたからだ。この時、もう映画版はないと思われたのだが、諦めきれないプロデューサーらはキャトラルを納得させるギャラの支払い方法を考え出し、4年後の2008年に実現させた。
しかし、2017年にはまた、映画3作目が、撮影開始直前になって、やはりキャトラルが渋ったために、キャンセルになってしまう。キャトラルは、最初からこの映画には出たくないという意志を表示していた上、脚本を読んでみるとサマンサのストーリーラインがつまらなかったことから、やはり出たくないと思ったとのことだ。この時はもうセットを作る作業などが始まっていただけに、関係者はキャトラルへの怒りをあらわにしている。
キャトラルの名誉のためにいうと、彼女だけが悪者だったわけではない。テレビシリーズの撮影中も、たしかにキャトラルは主演兼プロデューサーのサラ・ジェシカ・パーカーよりギャラが安いことに文句を言っていたようだが、堂々とヌードになったのは彼女だけだし、セックスに関する最もユーモラスなシーンをやるのはいつだって彼女だった。結婚に無関心で自由なセックスライフを楽しむサマンサは視聴者にも人気で、本人も自分の価値をわかっていたに過ぎない。
さらに、キャトラルが言うところによると、6シーズンに及ぶテレビシリーズの撮影中、彼女はパーカーからのいじめにあっていたらしいのである。たとえば、アトランティック・シティに行く回で、プロデューサーのパーカーは、ミランダ役のシンシア・ニクソン、シャーロット役のクリスティン・デイヴィスの宿しか確保せず、キャトラルには自分で宿を手配させたという。そんな嫌な記憶がずっと溜まっていたからか、2018年、キャトラルの家族に不幸があった時、パーカーがお悔やみの言葉を送ると、キャトラルは、「この悲しい時に、あなたからの愛とサポートなんていらない。私の母も、『あの偽善者のサラ・ジェシカ・パーカーはいつになったらあなたを放っておいてくれるのかしらね』と言っている。あなたが連絡してくることで、あなたがいかに意地悪だったかを思い出してしまう。はっきり言わせて。あなたは私の家族でも、友達でもない。人の悲劇につけ込んで良い人ぶるのはやめて」と、インスタグラムで攻撃している。
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