最新記事

アメリカ政治

中間選挙で苦戦の民主党、最終兵器は「中国叩き」

オバマ非難に泣かされる民主党候補たちが中国の脅威をあおって起死回生を狙う

2014年11月5日(水)15時12分
ウィリアム・サレタン

辛辣 中国系アメリカ人を妻に持つ対立候補をやり玉に挙げる民主党のグライムズ Win McNamee/Getty Images

 来月4日の米中間選挙を前に、民主党の候補者たちは守勢に立たされている。どの討論会でも「オバマ政権の失政」を支持していると攻撃されているからだ。そんな彼らが非難の矛先を変える対象として見つけたのが、中国だ。

 アジアに対する国民の不安を悪用する手は昔からよく使われてきた。80〜90年代にソ連が崩壊すると、多くの候補者は「仮想敵国」を日本に変えた。この場合、脅威は軍事ではなく経済だった。

 そして今、アメリカの敵は米経済を上回ったともいわれる中国だ。中東政策やエボラ熱対策が甘いと非難されることにうんざりした民主党候補は、中国に強気な発言をすることで、共和党候補より自分たちのほうが愛国心にあふれているとアピールしている。

 リベラルな人たちは、自分が外国嫌いだと思いたがらない。戦争や世界支配にも否定的だ。だが、彼らは弱者保護のために政府が経済活動に介入することには賛成する。そして世界経済では、弱者は自分の生活を脅かす最大の要因は外国の経済力だと思い込みがちだ。

 討論会でアメリカの輸出品に対する助成金について質問された民主党のマーク・ワーナー上院議員はこう答えた。「米企業から一方的に武器を取り上げるつもりはない。中国は公平な戦いを挑んでくる相手ではないからだ」

 今回の選挙戦における反中キャンペーンで最も辛辣なケースは、上院院内総務を務めている共和党のミッチ・マコネル議員への攻撃だ。彼の妻は中国系アメリカ人のエレーン・チャオ元労働長官で、「アメリカ人労働者に対して差別的な発言をした」と非難されたことがある。

 対立候補である民主党のアリソン・ランダーガン・グライムズは今、その点を執拗に攻撃している。グライムズ陣営は、マコネルが選出州のケンタッキーではなく「中国に雇用を創出する」ために働き掛けていて、「中国による為替操作を黙認している」などと責め立てている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アイルランドの法人税収、多国籍企業3社が約半分占め

ワールド

トルコの和平工程表承認、PKK関係者が「重要な一歩

ビジネス

ラガルドECB総裁、職務に専念と同僚らに伝達 即時

ビジネス

スイス中銀、銀行の流動性支援強化で詳細発表
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 2
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 3
    中道「大敗北」、最大の原因は「高市ブーム」ではなかった...繰り返される、米民主党と同じ過ち
  • 4
    ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方..…
  • 5
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 8
    IMF、日本政府に消費減税を避けるよう要請...「財政…
  • 9
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 10
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 5
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 6
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 7
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中