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イランから流出する米無人偵察機の秘密

無人機攻撃は効果的だが、撃墜されて敵国の手に落ちれば技術が拡散しアメリカ自身に降りかかりかねない

2012年2月7日(火)14時41分
ババク・デガンピシェ(ベイルート支局長)

機密の塊 イランが回収したと発表した米無人偵察機 Reuters

 イランが撃墜したと主張するアメリカの無人偵察機は、独自に無人機を開発中のイランにとって大きな収穫物だ。

 歓喜の声を上げているのはイランだけではない。同国に軍事品を供給してきたロシアと中国もこの無人機の情報を得るだろう。オンラインニュースのナシムによれば、両国はこの件について既にイランに接触している。

 イランが支援するイスラム過激派組織のヒズボラとハマスにも、この無人機の技術が渡る可能性がある。その技術を活用すれば、彼らは自分たちの無人機の性能を改良したり、アメリカの無人機による偵察から逃れる手段を講じたりできるだろう。
 
 さらに無人機をハッキングする技術の開発にもつながり得る。イランと関係の深いイラクのシーア派武装勢力は09年、イラク上空でアメリカの無人機のハッキングに成功している。

 これこそアメリカが最も恐れる悪夢のシナリオだ。ロバート・ゲーツ前国防長官は昨年、議会でこう発言している。「わが国の無人機の技術が国家主体ではない武装勢力の手に渡り、テロ目的で悪用されることを心配している」

[2011年12月28日号掲載]

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