最新記事

米人種

口先の謝罪では、人種問題は解決できない

人種に関する失言を恐れるメディアへの忠告

2009年4月7日(火)12時14分
レーナ・ケリー

 親愛なるジャーナリスト仲間の皆さま(とくにテレビ関係の方々)、よけいなお世話と思われるかもしれないが、言わせてほしい。もっと勇気を出して仕事をしませんか。

 バラク・オバマと人種が話題になったときの皆さんのリポートは、実に見苦しい。確かに、この新大統領は黒人で、皆さんのほとんどは白人だ。とんでもない失言をして人種差別だと糾弾され、キャリアを台なしにしてしまうのではないか----そう気にしている様子がひしひしと伝わってくる。

 アフリカ系アメリカ人記者である私には、その不安はよくわかる。でも正直言って、そんなリポーターを見ているほうもつらい。

 たとえば、大統領就任式の日の舞踏会。ここでは歴代の大統領夫妻がダンスを披露してきた。「黒人はリズム感が抜群」という考えは人種的な固定観念にちがいないが、「オバマ夫妻のダンスはよかった」と言っても人種差別的ではない。

 ネット上には、失言を待ち構える「ネットポリス」もどきがあふれている。だが、そんな連中のことは無視しておけばいい。

 有力政治ブログの「ハフィントン・ポスト」は昨年12月、休暇でハワイの空港に降り立ったオバマ家の次女サーシャ(7)のサングラス姿の写真を載せ、「sassy」と見出しをつけて激しく非難された。sassyは「生意気な」「粋な」といった意味をもつ言葉で、よく黒人女性に対して使われる。

 だが愛らしいサーシャをsassyと形容することは人種差別的でもなんでもない。実際、同ブログは共和党副大統領候補サラ・ペイリンの末娘パイパー(7)もsassyと呼んでいたし、そのときは誰も怒らなかったはずだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市首相、消費減税「やった方がいいと確信」 改憲は

ワールド

自民単独300議席超、「絶対安定多数」上回る 維新

ビジネス

自民大勝でも「放漫財政にならない」=片山財務相

ワールド

強力なリーダーシップに期待と経団連会長、自民単独過
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 3
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 4
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 5
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 6
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 7
    【台湾侵攻は実質不可能に】中国軍粛清で習近平体制…
  • 8
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    背中を制する者が身体を制する...関節と腱を壊さない…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中