「つみたてNISAから」と助言したのに、母が突然デイトレードを始めた本当の理由
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<投資経験がまったくなかったのに、突然デイトレードを始めた母。そんな母にはある変化が......>
きっかけはテレビドラマ
母が初めて「デイトレード」というものを知り、興味をもつきっかけとなったのは、テレビドラマ「きのう何食べた?」(テレビ東京)でした。
作中に出てくるジルベールこと井上航(磯村勇斗)が、1日2万円を目標にデイトレードをし、その他の時間は自由なことをしている姿を見て、「自分もやってみたい」と思ったそうです。
当時の母は投資未経験なうえに、パソコンを使うこともほぼありませんでした。そのため、「デイトレードしてみようかな」とボソッと言うのを聞いた私は「まずはつみたてNISAから始めてみたら?」とアドバイスをしていたのですが、気づけば父とともにトレーダーデビューを果たしていました。
母がデイトレードを始めるきっかけになったのは、ドラマだけではありません。「預貯金に利息がほぼつかないこと」も、デイトレードに挑戦することになった大きな理由のひとつだそうです。
定期預金をするイメージで少しずつ資産を増やしていくならば、「つみたてNISA」という初心者にぴったりの選択肢があります。しかし、母としては「投資は時間がかかるから、すぐに結果を数字として出したい!」と思ったのだとか。それで、「習うより慣れろ」の精神で飛び込んでみたというのです。
とはいえ、まったく無知識で挑むのはさすがにリスキーすぎるとわかっていたので、ひとまずYouTubeで少しだけ知識を得て、トレード生活をスタート。1日の目標利益を5,000円に定めて、大きな利益は狙わず、まずは少額から始めたのでした。
トレードを始めて変わった母
投資未経験で株式市場という大海原に飛び込み、なかでも知識だけでなくスキルが必要とされるデイトレードに挑戦した我が母。実際にトレードをしてみた感想を聞くと、「株価が上下するのを見るのはおもしろい」という回答が真っ先に返ってきました。
母は現在は専業主婦ですが、もともとは生命保険会社や結婚紹介所の仲人として、ずっとフルタイムで働いてきました。これまでは外にいる時間がほとんどだったわけですが、退職を機に家にいる時間が一気に増えて、「何かを始めなければ」という気持ちがあったのだとか。
デイトレードを始めてからの母は、企業情報や為替市場の動きなどに敏感になりました。私が「スプラトゥーン3」を購入した話をすると、ゲームの発売によって任天堂の株価が急上昇したことを教えてくれたりもしました。
また母は、デイトレードを始めるまでは完全に「夜行性」でした。深夜の2時3時まで韓国ドラマやアニメを見たり、「モンスターハンター」や「ゼルダの伝説」などのゲームをしたりして毎晩夜ふかし。朝は8時か9時頃にようやく起きるという、まるで学生のような生活をしていたのです。