コラム

ネパール豹変、ゲイの楽園を目指す

2010年03月16日(火)17時03分

 AP通信によればネパールは、ゲイ旅行者のための南アジアにおける楽園を目指している。エベレスト(チョモランマ)登頂用のベースキャンプで、同性愛カップルのために標高が世界一高い結婚式を行うという派手な宣伝行為もその一環だ。バックパッカーよりは裕福であろうゲイ旅行者を取り込むことで、貧しいネパール経済を浮上させるのが狙い。保守的なヒンズー教国ネパールの、信じられないような豹変ぶりだ。

■「第3の性」が選べる身分証も


 ほんの5年前には、同性愛者や性転換者は通りで警官に暴行を受けていた。

 だが今では、ゲイの権利はほとんど当たり前のことになっている。

 ゲイだと公言している国会議員もいるし、男でも女でもない「第3の性」が選べる身分証明証も発行することになっている。5月28日に公布する予定の新憲法でも、ゲイの権利を正式に保障する考えらしい。同性婚が認められる可能性もある。

「同性愛はもう問題ではなくなった」と、21歳のレズビアン、ビシュヌ・アディカリは言う。「社会は基本的に私たちを受け入れた」


──ジョシュア・キーティング
[米国東部時間2010年03月15日(月)16時27分更新]

Reprinted with permission from FP Passport, 16/3/2010. © 2010 by Washingtonpost.Newsweek Interactive, LLC.

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国際政治学者サミュエル・ハンチントンらによって1970年に創刊された『フォーリン・ポリシー』は、国際政治、経済、思想を扱うアメリカの外交専門誌。発行元は、ワシントン・ポスト・ニューズウィーク・インタラクティブ傘下のスレート・グループ。『PASSPORT:外交エディター24時』は、ワシントンの編集部が手がける同誌オンライン版のオリジナル・ブログ。

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