魅惑の摩天楼、香港フォト通信
年間9億杯飲まれる絶品ドリンク、無形文化財の香港式ミルクティー
香港スタイルミルクティーってご存知でしょうか?
ぐつぐつと煮た黒茶にエバミルクを入れた香港名物。
人口750万人の香港で年間9億杯飲まれる、まさに香港人に無くてはならない飲み物。
2017年、このユニークな作り方が伝統職人芸としてUNESCOの無形文化財に指定された。
(ソースはこちら)
この香港スタイルミルクティーは別名ストッキングミルクティーとも呼ばれる。
それは茶漉しの変わりに長いストッキングのような生地を使ってお茶をこすから。
この方式を初めて取り入れたのがセントラルにある欄芳園という老舗。
■レトロな佇まい、コロナ禍でもお客が絶えない欄芳園
今回はそんなストッキングミルクティーを最初にお客さんに振舞った
老舗の欄芳園(Lang Fong Yuen)を紹介。
観光客からも地元住民からも熱烈に愛されている店だ。
まずは百聞は一見しかず、これが香港名物ストッキングミルクティー。
ストッキングのような長い袋でこしてるでしょう?
近くで見たらストッキングに似ているけれど本当のストッキングではない。
ぐつぐつと煮えたお湯の中にセイロン茶とプーアール茶のブレンドをいれて濾して、
エバミルクを入れるそうで、家でやってみたけれど欄芳園の濃厚、こっくりの味が全然出ない。
香港ではどこでも飲める香港式ミルクティーだけれど、ここ、欄芳園のミルクティーは別格。
滑らかで、お茶がまったりと濃くて、エバミルクとのハーモニーが最高。
コロナ禍であってもソーシャルディスタンスを守ってこのお茶を飲みたさに絶えず人がやってくる。
次から次にやってくるお客を裁くために常にポットは7~8台稼動。
おじさんの脇の下、Tシャツが破けているの見えますよね。
どんなに欄芳園の香港式ミルクティーが超絶人気であるか
おじさんの破れている脇の下から感じ取れる。
オールド香港らしいキッチュな佇まいも魅力。写真の左に入り口があって中は食堂になっている。
ここでは香港の食堂の代表的なメニューである練乳とバターを塗ったトースト、豚肉を挟んだパンなどが食べられる。
春から秋にかけては香港式アイスミルクティー。
香港の冬は短いけれど10度前後になる事もある。そんなときはホットの香港式ミルクティーで。
どちらも甲乙つけがたいほど美味しい!
一口飲んだ瞬間『ああああ、いいねえ』と幸せ気分に浸れるローカルドリンク。
コロナが終わって観光に来られる予定がある方でまだ飲んだことがなければ是非、欄芳園のミルクティーをお試しあれ。
コロナ禍であの老舗が......と店じまいをする中、
ここだけはどうか残って欲しい。
この佇まいとミルクティーの味は格別だから。
欄芳園は香港では3店舗
■Lan Fong Yuen Central
■Lan Fong Yuen Tsim Sha Tsui
■Lang Fong Yuen Sheungwan Ferry Terminal
行くのならご紹介したセントラル店がお勧め。
著者プロフィール
- マリエ
香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら。