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カナダからの呟き

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カナダでは寝ている間に起こっている東京オリンピック

開会式に見る時代錯誤感

開会式の感想を周囲に訊いてみたら、カナダ人の大多数は開会式を観ていなかった。開催日に開催日だと気づいていた人が殆どいなかったのである(先にも述べた時差の問題が大きい)。

報道では"Ladies & Gentlemen"などの呼びかけなどに表れている時代錯誤感が指摘されていた。これは周囲も驚愕していた。「多様性の表層的な部分だけど掬い取ろうとしている」とか、「何故、そんな大きなイベントで推敲がないのか?」とかなり手厳しい意見だった。

前時代からコピペの消し忘れ感が強く、開会式全体が時代遅れだとの指摘もあった。確かにオリンピック開催式に関わり退任・解任した人たちもこの時代の流れを見誤ってた人たちが多かった。しかしながら、その人たちが去っても時代遅れのエッセンスはまだ顕著に存在しているのだ。

今までとは全く違うオリンピック

開催時はスキャンダル続きでオリンピック関係者の多くが退いたこと、オリンピック反対派がデモをしていることなども報道されていた。開催後は選手の紹介や賞賛に切り替わった。そしてオリンピック自体の評価にはお茶を濁している印象だ。

東京オリンピック開会式や東京オリンピックはカナダ人の目には地味で控えめに映ったらしい。それでも地味とかショボいとは言わず「(コロナ禍で)今までとは全く違うオリンピック」という言葉を使っている。無観客も「今までとは全く違うオリンピック」。選手村での選手の行動制限も「今までとは全く違うオリンピック」といった具合。この表現を用いて全てをやり過ごしている感がある。

一方で暑さで死にそうな選手が続出していること、コロナ感染濃厚接触者となった場合の隔離場所が刑務所のようであること、ワクチン接種してないのにマスクをしたがらない選手がいること、コロナ検査が機能していないなども報道されている。しかし、何かが改善されると期待しているようには見えない。既にここまで突き進んだのだから、残りもそうなるだろう、という予測がされている。

Toronto Starは2021年7月31日の記事でこう記述している。

「コロナが世界各地に飛び散り、日本は悲劇的な未来に向かっているかもしれません。しかしそれは問題ではありません。なぜなら、この大会はあまりにも大きく、インスピレーションと不条理、希望と悲嘆、人間の勝利への力の津波が、他のすべてを押し流してしまうからです。(略)この大会はゴールに向かって突き進み、テレビ収入で世界を癒し、来年の北京、2024年のパリに向けて荷造りをしていくことでしょう。」[参照: Halfway through Tokyo, the athletes have saved the Olympics again. It's just sad they have to]

そう、望む・望まないに関わらず、東京オリンピックは次のオリンピックの踏み石なのだ。

[注意]
記事にあげた内容は2021年8月3日の時点のものです。

 

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著者プロフィール
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カナダに棲む女。食事においての最後の一品は自分が食べたい。寒がりなのにカナダに移住。英語が苦手なのにカナダに移住。フランス語が喋れないのにカナダに移住。

著書、『毒の滴』が販売中です。

ブログ:毒の滴(したたり)

Twitter: @poisondrop333

Instagram: drippingofpoison

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