コラム

バイデン政権初の連邦レベル選挙、米テキサス州の下院補選が象徴する共和党の実相

2021年04月28日(水)16時45分

トランプ元大統領らしい行動原理

一方、肝心のトランプ元大統領の推薦も実にトランプらしい行動原理に基づいたものだ。つまり、自らに露骨に敵対することがない選択肢の中で「最も勝てそうな候補者」を選ぶというものだ。自らに対する忠誠度の一定の高さは前提とするものの、「トランプ自伝」の中で語られている政治家を応援する際の判断基準はそのままである。ハリソン氏やロディマー氏らなどの熱心なトランプ支持者も弱ければ相手にしないということなのだ。

5月1日補欠選挙結果はまだ分からないが、その構図自体がトランプ政権以後の共和党内の状況を示唆するものとして興味深いものであることは間違いない。共和党内の争いの間隙を縫って、民主党側が蟻の一穴を通すのかも合わせて注目したい。

プロフィール

渡瀬 裕哉

国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員
1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。日米間のビジネスサポートに取り組み、米国共和党保守派と深い関係を有することからTokyo Tea Partyを創設。全米の保守派指導者が集うFREEPACにおいて日本人初の来賓となった。主な著作は『日本人の知らないトランプ再選のシナリオ』(産学社)、『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』(祥伝社)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)、『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 ”トランプorバイデン”アメリカの選択』(すばる舎)

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