米議会襲撃事件で有罪判決の約1500人に「全面的な無条件恩赦」を与えたトランプの真意とは?
SORRY NOT SORRY
だが、トランプの恩赦には同意するべき理由がない。なにしろその対象は、適正な司法手続きにより犯罪行為が立証され、刑罰が言い渡された人たちだ。しかも彼らの暴力行為はテレビ中継により全米が目撃した。
連邦議会議事堂襲撃事件の時の非暴力的な犯罪行為につき有罪判決を受けた人たち(大勢いた)については、過剰訴追であり、量刑も重すぎると、トランプは主張できたかもしれない。
だが、結局トランプはこうした区別をせず、この事件に関連して有罪判決を受けた全員を恩赦か減刑にした。22日のトランプの会見の言葉を借りれば、「彼らは実際にはわが国を愛する人々だ」からだ。
だがそれは違う。彼らが愛しているのはトランプだ。
トランプの恩赦を正当化する理由が1つあるとすれば、それは「首謀者の自分が罪を問われずに済んだのだから、自分を大統領にするために行動した人たちも罪を問われるべきではない」というものだ。
だがもちろん、そんなことは口が裂けても言えないだろう。
トランプは今も、20年大統領選に敗北した事実を認めていない。そして投票箱が盗まれたとか、集票機が操られてるといった、ばかげた陰謀論を次々と繰り出すことによって支持者を動かし、自らの手は汚さずに選挙結果を覆そうとした。