最新記事
米中関係

中国によるネット世論操作活動「スパムフラージュ」、大統領選控えた米有権者標的に活発化

2024年9月4日(水)13時14分
選挙投票所にいる人びと

米大統領選投票日を11月5日に控え、中国が米国の有権者になりすましてソーシャルメディアを利用し、米政治家を中傷し分断をもたらすようなメッセージを流していることが分かった。米ジョージア州アトランタで5月撮影(2024年 ロイター/Alyssa Pointer)

米大統領選投票日を11月5日に控え、中国が米国の有権者になりすましてソーシャルメディアを利用し、米政治家を中傷し分断をもたらすようなメッセージを流していることが分かった。ソーシャルメディア分析企業グラフィカが新調査を発表した。

「スパムフラージュ」と呼ばれる工作は、中国国家当局とつながりがある世論操作活動の一環。スパム(迷惑メッセージ)を拡散したり、世論誘導のために標的を絞った宣伝活動をネット上で展開したりしている。専門家によると「スパムフラージュ」は少なくとも2017年から行われているが、こうした工作は選挙が近づくにつれてより活発になっている。50を超えるウェブサイトやソーシャルメディアプラットフォームで数千のアカウントを活用している。

グラフィカの調査チームを率いるジャック・スタッブズ氏は「米国を標的とした中国の世論操作活動が進化し、虚偽的な行為がより高度になっている」と指摘。スパムフラージュが米国の政治的な会話に潜入し、虚偽的行為による攻勢を一段と強めていると説明した。

具体例としては、米国の反戦活動家になりすまし、交流サイト(SNS)のXで複数のアカウントを使って、トランプ前大統領にオレンジ色の囚人服を着せて 「詐欺師」と称したり、バイデン大統領を「臆病者」と呼んだりするミームを作成したものがあるという。

スパムフラージュのメッセージは、民主党もしくは共和党のどちらか一方の政治的立場を支持するものというより、米国社会や政府への批判を高めることを狙っているとみられる。

在ワシントン中国大使館のリウ・ペンギュ報道官は「中国は米国の選挙に干渉する意図はないし、干渉するつもりもない」とコメントした。

一方、米国政府は選挙に介入しようとする外国勢力の試みを調査している。米国家情報長官室は7月に発表した選挙介入に関する報告書で、中国が今回の米大統領選に慎重に臨んでおり、選挙結果に影響を与えるつもりはないと指摘しながらも「米国民により広く影響をもたらそうとする動きを追跡している」と強調している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 AI兵士の新しい戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月13号(1月6日発売)は「AI兵士の新しい戦争」特集。ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、米国のイラン介入に備え厳戒態勢=関係筋

ワールド

北朝鮮の金与正氏、ドローン飛来で韓国に調査要求

ワールド

米ミネアポリスで数万人デモ、移民当局職員による女性

ワールド

米、来週にもベネズエラ制裁さらに解除=ベセント氏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中