最新記事
中ロ海軍

中ロ軍の挑発的な演習で緊迫の日本海と北太平洋、米軍は「国土防衛作戦」を発動、日本は?

2024年9月25日(水)20時23分
ライアン・チャン(チャイナニュースレポーター)

この軍艦8隻は演習のため、ロシア極東地域の主要港であるウラジオストクを出港した。ただし中国の5隻目として、中国海軍艦艇815A型電子偵察艦「天廊星」の姿も宗谷海峡を航行中の海上自衛隊に確認されている。

中国国防省は9月9日、中国軍の艦隊は2021年以来5回目となるロシア軍との太平洋での合同パトロールを実施すると発表した。両軍による前回の哨戒活動は7月に西太平洋で行われた。

2023年8月には、ロシアと中国の軍艦計11隻が、アリューシャン列島周辺の国際水域で合同パトロールを行い、アリューシャン列島に接近。アメリカの駆逐艦4隻とP-8ポセイドン哨戒機が中ロの艦隊を追跡したことがあった。

newsweekjp20240925112152-6cfba9f627d2d8c7c108eb34868ed03fd7565368.png
A Flourish data visualization

アメリカにとって、アラスカ周辺の空と海で中国とロシアの軍事的プレゼンスが高まるのは大問題だ。中ロ両国は7月24日、アラスカ防空圏に4機の爆撃機を送り込み、アメリカとカナダの戦闘機がスクランブル発進する事態になった。

ロシアは9月11日から15日にかけて、海軍の戦略演習「海洋2024」を実施し、ロシア軍機の4つの編隊がアラスカ防空圏内を飛行した。

9月15日には、原子力潜水艦2隻を含む4隻のロシア海軍艦艇が、アラスカ近海のチュクチ海を航行。海洋境界線のロシア側の海氷を避けるため、アメリカの経済水域の30マイル(約48キロ)内側に侵入した。

ロシアと中国は海軍合同演習以外にも、9月16日からウラジオストク近郊と北太平洋で沿岸警備隊の合同演習とパトロール活動を実施している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国副首相が米財務長官と会談、対中関税に懸念 対話

ビジネス

アングル:債券市場に安心感、QT減速観測と財務長官

ビジネス

米中古住宅販売、1月は4.9%減の408万戸 4カ

ワールド

米・ウクライナ、鉱物協定巡り協議継続か 米高官は署
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 5
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 8
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 9
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中