最新記事
ウクライナ戦争

Su-34を爆破...ウクライナのドローン攻撃で「焦土と化した」ロシア空軍基地、衛星画像が示す被害規模

Satellite Images Reveal Destruction Of Russian Su-34 Jet In Airfield Attack

2024年8月7日(水)17時15分
イザベル・バンブルーゲン
Su-34

モロゾフスク空軍基地にも配備されている戦闘爆撃機Su-34(写真は2019年8月、リャザン州ジェギレヴォ空軍基地) Fasttailwind-Shutterstock

<たびたび標的とされ、攻撃を受けてきたロストフ州のモロゾフスク空軍基地。4日に撮影された衛星画像には「火災の痕跡」が>

ロシアのモロゾフスク空軍基地で、ウクライナのドローンがロシアの戦闘爆撃機Su-34を破壊した直後とされる衛星画像が公開された。

【衛星画像】爆破されたSu-34と「焦土と化した」ロシア空軍基地

ウクライナ国防省情報総局は8月5日、ロシア南部ロストフ州で3日に行われた攻撃でSu-34の1機が破壊され、2機が損傷したと発表し、衛星画像を共有した。同機はロシアが3600万ドルかけて製造した中距離爆撃機だ。

ウクライナ保安庁(SBU)によれば、ウクライナの前線から250キロ以上離れた場所にあるモロゾフスク軍用飛行場には、Su-27とSu-34が駐機しており、これらがウクライナの空爆に使われている。

ウクライナ情報総局はテレグラムの声明で、「敵の航空兵器庫は完全に破壊された。広範囲が焦土と化しているのが確認できる。飛行場とその周辺で、ロシアの弾薬の二次爆発によって生じたものだ」と説明している。

米カリフォルニア州の衛星画像会社プラネット・ラボがウクライナ軍による攻撃の翌日にあたる4日に撮影した画像も、スキームズによって取得された。スキームズは米政府が出資するラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティーのプロジェクトだ。

スキームズによれば、4日の画像には、損傷したロシアの弾薬庫と建物や駐車場の近くで起きた「火災の痕跡」が映っている。

モロゾフスク軍用飛行場と多くの貯油施設の攻撃にはウクライナが関与した、とウクライナ軍参謀本部は3日に発表した。またロシアの滑空爆弾を含む弾薬を保管する複数の倉庫が攻撃され、「敵の防空設備と航空機の破壊に関する情報が明らかになっている」と述べた。

ウクライナのアントン・ヘラシチェンコ内相顧問はX(旧ツイッター)で、モロゾフスク軍用飛行場へのドローン攻撃後に発生したとされる火災の動画を共有している。

ウクライナは長距離ドローンを使い、ロシアの軍事基地をたびたび攻撃してきた。2022年2月、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナへの全面侵攻をきっかけに始まった戦争で、ウクライナはロシアの軍事基地を「正当な標的」と呼んでいる。

モロゾフスク空軍基地は開戦以来、ウクライナ保安庁によって何度も標的にされてきた。ウクライナ保安庁の関係者がロイターに語ったところによれば、4月には、ウクライナ情報総局と軍の共同攻撃で、同基地に駐機していたロシアの戦闘機6機が破壊され、8機が損傷している。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中国万科の債券価格が下落、1年間の償還猶予要請報道

ビジネス

午前の日経平均は反発、大幅安の反動 ハイテク株の一

ワールド

イタリア製造業PMI、11月は節目の50超え 2年

ワールド

原油先物続伸、米・ベネズエラ緊張など地政学リスクで
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 9
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 10
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中