ニジェール駐留米軍の撤収で中国国営メディアが高笑い
China's State Media Reacts to US Withdrawal From African Military Base
ニジェール中部アガデスの米軍ドローン基地(2018) Mehdi Chebil / Hans Lucas via Reuters Connect
<ニジェールが「西側諸国の軍事介入を排除する道」をまい進していると歓迎>
中国の国営メディアは今週、米軍が西アフリカのニジェールからの撤退を完了したと報道。「西側の軍が追い出された」最新の例だと伝えた。
中国共産党機関紙人民日報系のタブロイド紙「環球時報」は8月6日、無署名の社説の中で、アメリカはサハラ砂漠南部で貧しさにあえぐサヘル地域で重要なイスラム過激派対策の拠点を失ったと述べ、今回米軍が「渋々ながらニジェールから撤退」したのは、米政府がアジアで中国に対抗することに注力しようとしていることを示していると結論づけた。
この前日、米軍南アフリカ司令部はニジェール中部アガデス近郊に1億ドルを投じて設置した201ドローン基地をニジェール軍に引き渡し、10年に及んだ同国での活動を正式に終えた。
米当局者とニジェールの軍事政権は2024年に入ってから米軍の駐留継続について交渉を行ったものの合意に至らず、9月半ばまでに米軍を撤退させることを決定していた。米軍は7月に、ニジェールの首都ニアメー近郊にある101空軍基地から撤退している。
グローバルサウスのリーダーの一員を自認する中国は長年にわたって、アメリカの他国への軍事介入に反発し、米軍がアフガニスタンから撤退した際の性急なやり方も強く批判してきた。
米軍を追い出してロシアに接近
中国は、今回の米軍のニジェール撤退を恰好のプロパガンダ材料として歓迎している。環球時報はニジェールが「西側の軍事介入を排除する道」をまい進し、「西側諸国からの完全な独立」に向かっていると称えた。
同紙はさらに「今回西側の軍がニジェールから撤退したことを受けて、さらに多くのアフリカ諸国が同様の措置を取って外国の軍への依存を減らし、自衛能力を強化することにつながっていく可能性がある」と述べた。
約1年前にクーデターで実験を握ったニジェールの軍事政権は、フランス軍にも撤退を命じ、一方で今春にはロシアから軍事教官を招いている。
アメリカは2023年に、クーデターの発生を受けてニジェール向けの支援を一時停止したと発表していた。当局者らは、米軍の撤退が両国の二国間関係の構築の妨げになることはないと述べている。
ニジェールからの撤退により、アフリカにおけるアメリカのプレゼンスはさらに縮小した。アフリカ大陸唯一の常設基地であるジブチのキャンプ・レモニエには、現在も米軍が駐留している。ただしジブチには、中国も海外初となる軍事基地を置いている。
また米海軍は2023年にケニアの港湾都市モンバサに、防衛外交を目的とした活動拠点を開設した。米国防総省が毎年発表している基地構造報告書(米国内外の米軍施設に関する唯一の公式目録)によれば、ここはアメリカの外交政策目標を推進する目的で使用されている世界に数百ある軍事施設の一つだ。
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