ロシアの脅威に日々直面するドイツのNATO空軍基地で警戒レベルが「チャーリー」に
NATO Air Base Security Scare Sparked by Russian Threat
ガイレンキルヒェン空軍基地のゲートに出された「警戒」のサイン(8月23日) REUTERS/Thilo Schmuelgen
<ドローン攻撃、飲み水の汚染、偵察等々、ロシアがいつ何を仕掛けてくるか戦々恐々のNATO空軍基地>
先週、ドイツ西部のNATO空軍基地で、ロシアによるドローン攻撃の危険を察知して警戒レベルが引き上げられる一件があったと、独メディアが8月26日に報じた。
ドイツ通信社(DPA)は、ドイツの情報機関からドローンを使った「ロシアによる破壊行為につながる可能性が高い準備行動」の兆候があったという情報を得た。
NATOの早期警戒管制機(AWACS)の拠点でもあるガイレンキルヒェン空軍基地の警戒レベルは8月22日、「予防措置」として一時的に引き上げられた。NATOのAWACS隊のX(旧Twitter)アカウントは、8月23日にそう投稿した。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領による本格的なウクライナ侵攻が続くなか、ロシアと西側諸国の関係は緊張が続いている。NATOはウクライナに軍事的援助と装備を提供することで戦争に加担している、とプーチンは非難する。
結局、ガイレンキルヒェン空軍基地の高い警戒レベルは24時間続いた。
AWACS隊がXに出した声明には、こう書かれていた。「NATOガイレンキルヒェン空軍基地の警戒レベルは、『ブラボー+(Bravo+)』に戻った。一時的な『チャーリー(Charlie)』への引き上げは、組織と人員に対する潜在的なリスクを最小限に抑えるための予防措置だった。すべての作戦は、計画通りに進行している」
The security level at NATO Air Base Geilenkirchen has returned to Bravo+. The temporary rise to Charlie was a precautionary measure to minimise potential risk to our organisation and personnel. All scheduled operations are proceeding as planned.
— NATO AWACS (@NATOAWACS) August 23, 2024
作戦に関わらないスタッフは帰宅
フォース・プロテクション・コンディション(FPCON)と呼ばれる米国防総省のシステムが定める脅威レベルは、米軍兵士や施設に対するテロ脅威を特定し、予防行動や対応を推奨する。ノーマル、アルファ(Alpha)、ブラボー、チャーリー、デルタ(Delta)の5段階があり、デルタが最高レベルの警戒態勢だ。
NATO空軍基地で今回一時的に設定された警戒レベル「チャーリー」は、「何らかの出来事が発生した場合、あるいは、人員や施設を標的にしたテロ行為の可能性を情報機関が得た場合」に適用される。
Xの投稿によると、警戒レベルは最初、「潜在的な脅威を示す情報に基づいて」引き上げられ、予防措置として、ミッションに必要とされないスタッフは全員帰宅させられたという。
ドイツの「ビルト(Bild)」紙は、今回の出来事の数日前に、ガイレンキルヒェン空軍基地が一時閉鎖される事件もあった、と報じた。給水システムが意図的に汚染されたのではないかという懸念からだが、検査の結果、異常は見つからなかったという。
ビルト紙は先週も、ドイツ北部の北海沿岸の都市ブルンスビュッテルで、ロシアの偵察用ドローンが、重要な核インフラ施設上空を飛行した疑いについて、ドイツが調査していると報じた。
NATO基地へのドローン攻撃に関するドイツ情報機関の主張について、ロシアはまだコメントしていない。
(翻訳:ガリレオ)
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