最新記事
ネットで話題

Z世代の部下たちの「ありえない言い訳」 ミレニアル上司はお手上げ

Millennial Boss Shows The Reality of Managing Gen Z: 'A Different Breed'

2024年6月21日(金)14時10分
アリス・コリンズ
(写真はイメージです) View Apart-Shutterstock

(写真はイメージです) View Apart-Shutterstock

<話題沸騰のインスタグラマーが語る、Z世代の「恐るべき」働き方>

ほとんどの人にとって、職場での「プロフェッショナル」としての人格と、友人といる時の行動には違いがある。だがZ世代がその境界を喜々として薄れさせてしまう現実を、ミレニアル世代の管理職が見せつけている。

2024年に入って初めてZ世代の上司になったカナダ・オンタリオ州のジェイミー・リンチ(33)が、ワークライフバランスに対するこの世代のアプローチの違いを思い知らされるのに、それほど時間はかからなかった。5人のZ世代を部下に持つことは目からうろこが落ちることばかりで、面白いと思うことさえあるとリンチは本誌に語っている。

リンチはオフィスで部下からかかってくる何本もの電話をさばかなければならない。できないことの言い訳をする部下や、予定に間に合いそうにないという部下もいる。普段はそうした混乱ぶりの楽しい面に目を向けているが、やる気がなかったり、無理をしたがらない様子を見るとイライラすることもあると打ち明けた。

リンチは言う。「Z世代は自分たちの健康や幸福のことになるととても強い個人的境界がある。疲れている時は無理をせず、仕事のために自分を殺したりはしない。そのことについては尊敬する。私があのくらいの年だった頃は、病欠の電話をすると上司からクビだと言われたから」

「あの世代は動機を与えるのが難しい時もあり、突拍子もない理由で電話してきたりもする。それでも面白いし、私たちに新鮮な物の見方を教えてくれる。彼らの個人的境界には少しだけ嫉妬も覚える。今年は仕事が忙しくて、私はまだ休暇を取得していない。きっと私ももっと彼らのようになるべきかもしれない」

年下の部下を持つようになって間もなく、リンチはその予測不可能な行動をInstagramのアカウント「@onelookjamie」で記録し始めた。動画の多くは注目を集め、880万回以上再生されて15万1000を超す「いいね」を集めた動画もある。

リンチはSNSに掲載した動画に対するポジティブな反応を楽しんでいる。見始めると止まらないというユーザーや、リンチの日常と同じ思いをしているというユーザーも多い。自分の動画はZ世代に唖然とさせられている管理職仲間の「琴線に触れた」とリンチは本誌に語った。

「この反応は素晴らしい。同じ境遇にあって同じような電話に一日中応対しているという人たちから何百通もメッセージが届いた。Z世代は私たちの会社に遊び心を持ち込んでくれて、顧客がそれに応え、私がこのコンテンツを作り始める動機を与えてくれた」

Instagramに掲載した動画を部下本人が見ることもある。そうした部下はインターネットで有名になることを楽しんでいる様子だが、自分たちの世代が否定的に描かれることはあまり快く思わない。そこでリンチは、プロフェッショナルな印象を与えることに力を入れているという。

「彼らは間違いなく違う人種。私たちが教えることはたくさんあるし、彼らから学ぶこともたくさんある。過去の私たちにはなかった明るさと楽しさを彼らが持ち込んでくれた。たとえそれが突拍子もない電話に大笑いすることだったとしても」

リンチの動画はZ世代と働いた経験のないユーザーにとって間違いなくショッキングだった一方で、それがまさにどんな状況かを知っているユーザーは自分自身の経験を共有したい衝動に駆られた様子だ。

リンチの投稿は1本だけで2000を超すコメントが寄せられた。あるユーザーは「彼女が自分の子どもたちと話しているのかと思った」と書き込み、別のユーザーは「何がパロディなのかもう分からなくなった」と応じている。

「ミレニアルがそうなるだろうと誰もが思っていたのがZ世代」というコメントもあった。

(翻訳:鈴木聖子)

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

独外相、中国の輸出規制による欧州産業混乱巡る問題解

ビジネス

パラマウント、ワーナーに敵対的買収提案 1株当たり

ワールド

EU、自動車排出量規制の最新提案公表を1週間延期 

ビジネス

NY外為市場=米ドル上昇、FOMCに注目 円は地震
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    死刑は「やむを得ない」と言う人は、おそらく本当の…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中