最新記事
野生生物

ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい現場」

Crocodile Hunted as Teenage Boy Found Dead

2024年4月24日(水)16時20分
ロビン・ホワイト
(写真はイメージです) Amber Kipp-Unsplash

(写真はイメージです) Amber Kipp-Unsplash

<少年を襲ったのは体長6メートルにも達するイリエワニだったとみられる>

オーストラリアでワニに襲われたと思われる16歳の少年が遺体で発見され、当局がワニの捜索を行っている。

【動画】ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい現場」

クイーンズランド州警察の発表によると、行方不明の届け出があったのは現地時間の4月18日午前4時ごろ。16歳の少年は、13歳の少年と一緒にボートで出かけて遭難した。

2人の乗ったボートはクイーンズランド州沖にあるトレス海峡のサイバイ島近くでしけに遭って難破し、13歳少年は岸にたどり着いたが、16歳少年は行方が分からなくなった。

警察は直ちに捜索を開始し、この少年と思われる遺体を発見した。遺体には、ワニに襲われた痕跡と一致する傷があった。

警察は「遺体の身元を正式に確認する作業を進めるとともに、さらなる検査を行って死因を確認している」と述べ、「警察と環境科学局が連携して調査を続けている」とした。

調査に協力しているクイーンズランド州環境科学革新局は、少年を襲ったのは体長約3.3メートルのワニだったと推定。「問題のワニを発見するため、野生生物担当官が本日午後、サイバイ島周辺の海をヘリコプターで調査する。地域住民から、本件に関係した動物を駆除するよう要請があった」と説明している。

オーストラリアの「クロコダイル・カウンティ」と呼ばれるトレス海峡は、縄張り意識が強く獰猛性のあるイリエワニが生息する。

ワニが人を襲うことは極めて稀だが、ワニと人の距離が近い状況では起きることもある。

イリエワニは成長すると体長6メートルにも達し、かむ力は動物の中で最強級。年間およそ1000人がイリエワニに襲われて命を落としている。ただしオーストラリアで人が襲われるのは、政府の2017年の統計で年間1人程度にとどまる。

1月には9歳の男の子がワニに襲われて、オーストラリア北部準州のカカドゥ国立公園から空路病院に搬送された。同地はワニが豊富に生息する地域で、カカドゥ国立公園には推定1万頭が生息している。

同国にはオーストラリアワニも生息しているが、イリエワニの方がはるかに大型で危険も大きい。実際に、イリエワニはクロコダイル科のワニの中でも特に危険な種とされている。

(翻訳:鈴木聖子)

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

任天堂、「スイッチ2」を6月5日に発売 本体価格4

ビジネス

米ADP民間雇用、3月15.5万人増に加速 不確実

ワールド

脅迫で判事を警察保護下に、ルペン氏有罪裁判 大統領

ビジネス

貿易分断で世界成長抑制とインフレ高進の恐れ=シュナ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中