最新記事
野生生物

恐怖の巨大ワニ、家畜や鶏を食い荒らす...住民震撼

'Dangerous' 14-Foot Crocodile That Stalked Locals for Months Finally Caught

2024年4月4日(木)16時20分
ジェス・トムソン
(写真はイメージです) Padodo-Shutterstock

(写真はイメージです) Padodo-Shutterstock

<住民は「あいつはずっと我々に付きまとっていたのでひどく不安だった」と語っている>

何カ月にもわたって住民を怯えさせていた巨大ワニが、ついに捕獲された。

【動画】恐怖の巨大ワニ、家畜や鶏を食い荒らす...住民震撼

体長およそ4.3メートルの巨大ワニは、オーストラリア北部クイーンズランド州コーデリアの町に何度も出没しては、家畜を追いかけたり、ニワトリを餌にしたりしていた。

地元当局はこのワニを危険動物に指定。ハーバート川の河川敷で3月24日に捕獲することに成功した。

ハーバート川沿いに住むコーデリア住民のローレンス・ペルティカトはこのワニについて「河川敷で我々に向かってきたり、付きまとったりするようになった」と地元放送局のABCノースクイーンズランドに語っている。「私は生まれてからずっと川沿いに住んでいて、ワニのことはよく知っているので、危険なヤツがいればすぐわかる」

「あいつはずっと我々に付きまとっていたのでひどく不安だった。私はよくここで釣りをしているが、あまりに危険なので船を出せずにいた」

ペルティカトから連絡を受けたクイーンズランド州環境科学イノベーション局は、1カ月以上かけて捕獲を試みていた。

捕獲されたのは主にインドや東南アジア、オーストラリアなどインド太平洋地域の河川に生息するイリエワニと思われる。ワニの仲間の中では最大で、成体になると体長6メートルを超すこともある。世界で推定約1000人がイリエワニに襲われて死亡している。

オーストラリアは全土におよそ20万頭のイリエワニが生息しているが、人が襲われる件数は比較的少なく、平均すると年間1人程度。2018年以来、3人の死亡が確認されている。

「目撃情報があれば全て野生生物担当係員が調査する。あのワニは行動を観察した結果、駆除対象とすることにした」。州環境科学イノベーション局のトニー・フリスビーはそう説明する。「川に浮かべる罠も試したが、大雨で水位が上昇したため、川岸に置くゲート付きの罠を仕掛けなければならなかった」

ワニはこの罠にかかって24日に捕獲され、係員が運び出す際にはものすごい声を立てた。

野生生物係官のエラ・ミーブは「あまり機嫌が良くなかったらしい」とABCノースクイーンズランドに語り、「とても声が大きく、唸り声や咆哮はすさまじかった」と回想。「あの動物を駆除できてホッとしている」「もしも川に人が近づきすぎれば悪い事が起きていたかもしれない」と胸をなでおろした。

同じ頃、同州タウンズビルのロス川でも河川敷で体長約3メートルのワニが捕獲された。

「ロス川のワニも数週間前から周辺をうろついていた。その行動から、公衆が危険にさらされると判断して捕獲対象とすることにした」(フリスビー)

捕獲したワニは2頭とも、動物園か野生生物保護区に移される。

「このワニたちがいなくなったからといって、ハーバート川やロス川が安全になったと思ってはいけない」とフリスビーは釘をさす。「タウンズビル地域はクロコ郡だ。河川の周辺ではクロコワイズな行動を。分別ある選択をして、気を緩めないでほしい」

「クロコ郡では自分の安全の責任は自分にあるという認識が必要だ。全ての河川にワニがいると想定しなければならない。たとえ何の気配もなかったとしても」(フリスビー)

環境科学イノベーション局はワニが出没する河川周辺の住民に対し、河川には近寄らず、ワニに餌を与えたり、食べ物や魚のくずを川岸近くに放置したりしないよう呼びかけている。さらに、イリエワニは海でも目撃されていることから、たとえ海水浴であっても水泳は日中のみ、水が澄んでいる場所で行うよう助言。ワニ用の罠には近付かず、カヤックのような小型船舶も使用すべきではないとして、次のようにアドバイスしている。

「カヤックやペダルボードなどの小型船舶は使用しない方がいい。船が小さいほど危険は大きい。ワニが小型船舶の人に飛びかかったこともある」

(翻訳:鈴木聖子)

ニューズウィーク日本版 ISSUES 2026
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月30日/2026年1月6号(12月23日発売)は「ISSUES 2026」特集。トランプの黄昏/中国AIに限界/米なきアジア安全保障/核使用の現実味/米ドルの賞味期限/WHO’S NEXT…2026年の世界を読む恒例の人気特集です

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

韓国中銀総裁、ウォン安を懸念「経済ファンダメンタル

ワールド

中国百度のAI半導体部門、香港上場を申請

ワールド

金正恩氏娘が宮殿初訪問、両親の間に立つ写真 後継ア

ワールド

韓国大統領が4日訪中、両国関係の「新たな章」期待 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    【現地発レポート】米株市場は「個人投資家の黄金時…
  • 8
    日本人の「休むと迷惑」という罪悪感は、義務教育が…
  • 9
    「断食」が細胞を救う...ファスティングの最大効果と…
  • 10
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中