「保存状態の良い」ローマ時代の木造地下室、ドイツ西部で発見...フランクフルト市が写真を多数公開
'Extraordinary' Wooden Structure Found From Roman House Destroyed by Fire
Thomas Flugen/© Archäologisches Museum Frankfurt
<階上の住宅はこの火災で全焼。地下へ降りる階段には焼け跡があったという>
「素晴らしく保存状態の良い」ローマ時代の木造地下室が、ドイツ西部のフランクフルトで発見された。
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古代の木造構造物は2023年、フランクフルト市のヘッデルンハイム地区で行われた発掘作業で出土した。市の発表によると、この遺構の復元が完了し、フランクフルト考古学博物館で修復の専門家によって保全されている。
木造地下室は、古代都市ニダの2本の大通り(プラエトリア街道)の南端に1世紀後半に建てられたと思われるローマ時代の住居の一部だった。
地下室とつながっていた半木造住宅は残っていない。しかしこの発見や、木造地下室の良好な保存状態は「科学的には非常に興味深い」といい、ニダの生活をうかがい知る「ほぼ唯一の」機会を与えてくれると市は解説する。
「これほど素晴らしい発見には特別な配慮を要する。悪天候で危険が差し迫っていたことから、急遽この地下室を古代フランクフルトの重要な工芸品とともに保全することにした」(フランクフルト市のイナ・ハルトヴィヒ文化担当局長)
「素晴らしい技術と試験的な手法を使ってそれが達成できたことをうれしく思う。今後数週間かけて地下室をさらに詳しく調べ、適切な展示方法を決定する」(同)
木造の地下室には火災の痕跡があり、階上の住宅はこの火災で全焼したらしい。地下へ降りる階段には焼け跡があった。現場からは木炭や燃えかす、炭化した梁も見つかっている。
熱で溶けたガラス容器など、火災の跡が残る工芸品もあった。地下の階段には鉄器が落ちたままになっており、住人が地下室の貯蔵品を全て持ち出す時間がなかったことを物語る。
火災からしばらくすると、住宅の跡地の上に別の建物が建てられたが、地下室は使っていない様子だった。
この住宅が建てられた年代と、火災で焼失した年代を正確に特定するためにはさらなる調査を必要とする。
火災の痕跡が残る古代都市ニダの木造地下室が発見されたのは、今回が初めてではない。
ニダの発掘ではこの100年の間に同じような遺構が出土していた。しかし大抵は保存状態がそれほど良好ではなく、現代の発掘手法を使った念入りな調査は行われていなかった。
「従って、2023年に発掘された地下室は多くの点で特別だった」とフランクフルト市は説明している。
(翻訳:鈴木聖子)
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