「象徴」だったのになぜ...人口の8割が車を買えないアメリカの現実【アニメで解説】
Newsweek Japan-YouTube
<新車も中古車も価格高騰。そもそも「高級でない車」が市場から姿を消した。その理由を解説したアニメーション動画の内容を一部紹介する>
アメリカンライフの象徴だったはずの車が、今や人口の8割にとって手が届かない存在になっている。一体どうしてこうなってしまったのか──。
本記事では、本誌YouTubeチャンネルの動画「年収10万ドルの壁...「アメリカ人の8割」が車を買えない理由とは?【アニメで解説】」の内容をダイジェスト的に紹介する。
アメリカ人にとって車はただ必要なだけでなく、自由や自立、時には抵抗のシンボルになることもあった。その車が今日、人々にとって縁遠い存在になりつつある。
新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、生活費は全体的に高騰。車にかかる諸費用や自動車保険、修理費用なども上がったことが原因にある。
自動車業界はサプライチェーンの混乱や半導体不足などの問題に見舞われ、新車価格も中古車価格も史上最高にまで高騰した。
車の購入をサポートするAIアプリ「CoPilot」のデータによれば、2020年以降に新車価格は30%、中古車価格は38%高騰している。いま販売されている車で価格が3万ドルを下回るのは、全体のわずか10%だという。
金融関連ニュースサイト「MarketWatch」の2023年10月のリポートによれば、アメリカ人が車を買うのに必要な年収は最低で10万ドル。国際調査のデータに照らせば、アメリカの世帯の60%が「新車を買えない」状態にある。個人ベースではより深刻で、全体の82%が年収10万ドルに満たない。
アメリカに手頃な価格の自動車が存在しないように見える要因は、パンデミックの混乱以外にもある。
自動車情報サイト「エドマンズ」のアナリスト、ジョセフ・ユンは「過去10年ぐらいで消費者の嗜好も大幅に変化した。より大型のSUVなどが好まれるようになり、カメラやセンサー、レーダーや大型画面などを求める傾向が強まっている」と述べている。
各自動車メーカーが小型で安価な車の生産量を減らし、SUVやトラックなどより高額な車の生産に重点を置くようになったことも「高級でない車」が市場から消えた原因の一つといえる。
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