最新記事
海洋生物

「残虐すぎる...」シャチの死骸から7匹のラッコ...衝撃の写真が謎を呼ぶ

Mystery as Orca Swallows Six Sea Otters Whole

2023年10月4日(水)18時30分
ジェス・トムソン
シャチ

Valeriy Karpeev-Shutterstock

<シャチの体内から実に7匹のラッコの死骸が見つかったという驚きの報告が学術誌「アクアティック・マーマルズ」に掲載された>

2020年にベーリング海・コマンドルスキー諸島沖でシャチの死骸が見つかった。その体内から7匹のラッコの死骸が発見され、生物学者たちを驚かせた。6匹は丸のみにされており、7匹目は喉に詰まっていたのだ。この死骸を調査した学者たちは、その結果を学術誌「アクアティック・マーマルズ」に掲載した。7匹の体重は合計で実に117キロにも及んだという。

【画像】閲覧注意:「残虐すぎる...」シャチの死骸から7匹のラッコ...衝撃の写真が謎を呼ぶ

野生生物の獣医師で非営利の海洋科学組織「シードック・ソサエティ」に携わるジョセフ・ゲイドスいわく、シャチがラッコを捕食する例は多くないが、1990年代にアラスカにおけるラッコの生息数が減少した一因として、シャチが関係している可能性が指摘されているという。しかし、シャチはアザラシ、クジラ、サメ、アシカ、サーモンを獲物とすることの方がより一般的だ。またシャチは獲物を食べる際、獲物を丸呑みにするのではなく、部分ごとに引き裂いて食べる傾向があるそうだ。

ラッコの体長は最大で約1.5メートルまで成長する。ゲイドスは「このメスシャチはラッコがちょうど良い大きさだと感じ、全て丸のみにしたのかもしれません。ただし、(喉に詰まった)最後の1匹がその死因である可能性があります」と指摘した。一方、ポーツマス大学で生物学の教授を務めるアレックス・フォード教授は「通常の獲物が減少してきたため、飢えていたのか。もしくは、ラッコを『沿岸近くで簡単に捕えられる獲物』だと認識していた可能性もあります」と話した。

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


SDGs
使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ウニクレディト、BPM株買い付け28日に開始 Cア

ビジネス

インド製造業PMI、3月は8カ月ぶり高水準 新規受

ワールド

中国軍が東シナ海で実弾射撃訓練、空母も参加 台湾に

ビジネス

ユニクロ、3月国内既存店売上高は前年比1.5%減 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中