最新記事
政治参加

<動画>「勇気ある行動」──ホワイトハウス報道官のスピーチを遮って政権を批判したのに、活動家が褒められた理由

Video of activist confronting Biden admin viewed over 4 million times

2023年8月1日(火)19時33分
キャサリン・ファン

ジョシはカリフォルニア大学バークレー校を卒業したばかりで、TikTok上でもよく知られた存在だ。気候危機や気候変動対策について話す動画を頻繁にアップしており、フォロワーは13万4600人にのぼる。

彼女はアラスカでエネルギー大手コノコフィリップスが主導する石油掘削プロジェクト「ウィロー」を承認しないよう求める#StopWillow運動を主導してきた。ホワイトハウスに書簡を送り、オンライン嘆願書の署名も集めたが、バイデン政権は3月13日に同プロジェクトを承認した。

バイデン政権に対して声を上げたジョシの決断に、進歩主義を掲げるその他の団体や議員、さらには2024年の大統領選予備選でバイデンの対立候補となる民主党員の一人からも、称賛の声が上がった。

大統領選に向けて民主党の指名獲得をバイデンと争うことになる作家のマリアン・ウィリアムソンは、ジョシの動画について「言うべきことを言った」とツイートした。

「全ての動きはネットゼロにつながるべき」

Z世代初の連邦下院議員となったマックスウェル・フロスト下院議員(フロリダ州)は、ジョシを「愛国者」と呼び、「権力ある人々に向かって真実を述べるのは簡単なことではない」とツイートした。

フロストは「大統領は確かに気候危機に立ち向かうために歴史的な投資を行ってきた。だが人類を救うためには、もっともっと多くの取り組みが必要だ」とツイートし、さらにこう続けた。「時間切れが迫っている。温室効果ガスの排出量を増やすことになるプロジェクトを、これ以上承認することはできない。全ての動きは、ネットゼロ(排出量正味ゼロ)につながるものでなければならない。人類の未来がかかっている」

さらにフロストは「@EliseJoshi(エリス・ジョシ)は、Z世代の怒りと愛を掲げて闘っている愛国者だ。それは誇りに思うべきことだ」と述べ、こう書き込んだ。「私は彼女の闘いに刺激を受けた。大統領に対して気候の緊急事態宣言を出すよう求める運動に参加する」

若者の環境運動家組織「サンライズ・ムーブメント」も、ジョシを支持した。同組織は2018年の米中間選挙の際、化石燃料業界からの資金提供を拒まなかった候補者を追放し、再生可能エネルギーを支持する候補者の選出を目指して運動を行ったことで、全国的に有名になった。

「サンライズ・ムーブメント」のツイッターアカウントはバイデンに向けて、「若者の声に耳を傾け、気候の緊急事態を宣言せよ」と呼びかけた。

展覧会
奈良国立博物館 特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」   鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

貿易分断で世界成長抑制とインフレ高進の恐れ=シュナ

ビジネス

テスラの中国生産車、3月販売は前年比11.5%減 

ビジネス

訂正(発表者側の申し出)-ユニクロ、3月国内既存店

ワールド

ロシア、石油輸出施設の操業制限 ウクライナの攻撃で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中