最新記事
SNS

「保護犬詐欺サイト」に要注意...少しでも「臭う」なら、それは「当たり」

I Was Puppy-Scammed

2023年7月18日(火)11時45分
ポーレット・クーパー(作家)
ポーレット・クーパー

クーパーはフェイスブックで犬を「買った」つもりだった COURTESY PAULETTE COOPER

<いま思えば怪しい場面はたくさんあったにもかかわらず、愛らしいシーズー欲しさにだまされた...保護犬ページで詐欺師に4000ドルをだまし取られた顛末とは?>

初めてトミーを見たのは、フェイスブックの保護犬のページだった。なんてラッキーなんだろうと思った。大きさも犬種もまさに私が探していたタイプの犬だ。しかも、とびきりキュートときている。

管理人によると、トミーは成犬だが体重は3キロ以下。わが家の愛犬ピキは1.5キロの超小型犬だから理想の遊び相手になるはずだ。

ピキが仲間を欲しがっているのは明らかだった。大きなガラスの窓越しに一日中外を眺めては、よその犬が通りかかるたびに挨拶するように吠えていた。

トミーがシーズーであることは大きなポイントだった。ボーダーコリーのように超賢くて活発な犬種だったら、こちらの体力が持たない。

その点、穏やかなシーズーなら安心だ。手入れも簡単だし、激しく吠えることもまずない。だからシーズーの需要は高い。小型のインペリアルシーズーだと3000ドルはする。

それだけに、フェイスブックの管理人がわずか350ドルという価格を提示してきたときはうれしかった。詐欺の最初の兆しだとも気付かずに。

おかしいとは思ったが

管理人によると、飼い主の女性がトミーを手放すことにしたのは、彼女の生活パターンが変わり、ケージに入れておかなければならない時間が増えてかわいそうだと思ったからだという。

トミーはケンタッキー州にいて、管理人はフロリダ州の私の家まで車で運ぶ費用として300ドルが必要だと言ってきた。それでも支払額は全部で650ドルで済む。

一応、実際に送金する前に基本的なリサーチはしてみた。この保護犬ページ以外では、フェイスブックでも、インターネットでも、管理人の名前が見つからないのは珍しいなと思ったが、利用者の口コミは抜群によかった。

それに管理人の写真もトミーの写真も、どこかから勝手に借用したものではなさそうだった。おかしいと思ったのは、代金をギフトカードで払ってほしいと言われたときだ。

展覧会
奈良国立博物館 特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」   鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米国務長官、4月2─4日にブリュッセル訪問 NAT

ワールド

トランプ氏「フーシ派攻撃継続」、航行の脅威でなくな

ワールド

日中韓、米関税への共同対応で合意 中国国営メディア

ワールド

米を不公平に扱った国、関税を予期すべき=ホワイトハ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中