バイデンJrが税金未納など罪認め司法取引 現職大統領の子供の訴追は史上初、選挙に影響も
バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏(写真)が連邦所得税の申告を怠ったなど3件の罪状を巡り、有罪を認める方針で司法省との取引に応じたことが、裁判所の文書から20日明らかになった。2月撮影(2023年 ロイター/Elizabeth Frantz)
バイデン米大統領の息子ハンター・バイデン氏(53)が税金未納と銃所持を巡る容疑で訴追され、司法取引に応じて税金未納に関する2件の罪を認めた。銃所持についても条件付きで起訴を猶予する手続きで当局と合意した。裁判所の文書から20日明らかになった。
ハンター氏を巡っては、トランプ前大統領や共和党が長らく、ウクライナや中国で不正取引を行っていたと主張していた。2024年大統領選で再選を目指すバイデン大統領にとって痛手となる可能性がある。
裁判所に提出された文書によると、ハンター氏は17年と18年の課税所得が150万ドルを超えていたにもかかわらず、10万ドル強の税金を支払わなかった。
司法省によると、18年10月の短い期間に薬物依存を申告せずに銃を所持していた容疑でも訴追されたが、条件付きで起訴を猶予する手続きで検察と合意した。
ホワイトハウスのサムズ報道官は声明で「大統領とファーストレディ(大統領夫人)は息子を愛し、人生の立て直しを続けるハンター氏を応援している」とし、それ以上のコメントは控えた。
機密文書持ち出しなどで最近起訴されたトランプ氏はハンター氏の司法取引を批判。自身のソーシャルメディア上で「腐敗したバイデン司法省は単なる『交通違反切符』を与えることで、数百年にわたる刑事責任を清算した。われわれのシステムは破綻している!」と述べた。
テネシー大学で大統領史を専門とするアーロン・クロフォード氏によると、現職大統領の子どもが訴追されるのは今回が初めてという。
ハンター氏は20年12月、デラウェア州連邦地検が自身の税務について捜査していると明らかにしていた。捜査はトランプ氏が大統領時代に指名した同地検のデービッド・ワイス検察官が指揮し、報道によると18年には始まっていた。
関係筋によると、当初は税務関連の違反のほか、中国をはじめ海外との商取引における資金洗浄法違反の可能性に焦点が当てられた。
ハンター氏の弁護士は声明で、5年に及んだ捜査が終了したと理解していると述べた。
ワイス氏は捜査は継続していると表明した。
下院共和党によるバイデン一族の調査を主導してきた下院監視・説明責任委員会のジェームズ・コマー委員長(共和党)は、ハンター氏が「軽い処罰で逃げ切ろうとしている」と批判。同委が調査の手を緩めることはないとした。