世界で2番目に「高い木」が発見される、「世界で最も深い峡谷」で...世界一はアメリカの「ハイペリオン」
Tree As Tall As Statue of Liberty Discovered In World's Deepest Canyon
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<102メートル超のイトスギが発見された「ヤルツァンポ大峡谷」では、ほかにも90メートル級の巨木が続々と発見されている>
中国チベット自治区の峡谷で、高さ102.3メートルのイトスギが発見された。これはアジアで最も高い木であり、世界でも2番目の高さと見られる。
■【写真】102.3メートル! 発見された世界で2番目に高い木の威容/世界一高い木「ハイペリオン」
このイトスギは、北京大学の研究チームが、チベット自治区ニンティ市ポメに位置する「ヤルツァンポ大峡谷」で発見したもの。高さ約102メートルといえば、約93メートルの自由の女神像よりも高いことになる。なおヤルツァンポ大峡谷は「世界で最も深い峡谷」とされており、深さは平均約4.9キロ、最大で6キロに達する。
北京大学は、今回発見された木はヒノキ科オオイトスギと発表している。
また、この木は「ライダーセンサー」を搭載したドローンを使って発見されたという。ライダーは、ソナーやエコーロケーションに似たものだが、音の代わりにレーザー光を使って周囲をマッピングする。研究チームは、ライダーによって集められたデータを使ってこの巨木の3Dモデルを作成し、現地調査の結果、アジア最大の木であることが確認された。
周囲には90メートル級の木が25本も
この木は、同じ研究チームが過去に発見した「中国で最も高い木」の記録を塗り替えた。チームは昨年4月、メトク県で高さ約77メートルの木を発見し、そのわずか1カ月後には中国南西部で高さ約83メートルのモミの木を発見していた。
この地域には巨大な樹木が数多くあり、今回発見された木の付近では90メートル級の木が25本も見つかっている。オオイトスギは野生では珍しく、ヤルツァンポ大峡谷にもわずかしか生息していない。中国では保護レベルが最も高い植物種の1つだ。
なお世界で最も高い木は、米カリフォルニア州のレッドウッド国立公園にある、高さ約116メートルのセコイアだ。2006年に発見されたこの木は、樹齢600〜800年と考えられており、「ハイペリオン」という愛称で呼ばれている。木と周辺環境を保護するため、詳細な位置は明かされていない。また2022年には接近そのものが禁止され、罰則が設けられている。
世界第3位は、オーストラリアの高さ約100メートルのナナカマドで、米オレゴン州の約99メートルのベイマツ、マレーシアの約98メートルのイエローメランチと続く。
北京大学の研究者らは、この地域のイトスギを長期的に観察して、分布密度、個体数、樹齢を調査する他、ヤルツァンポ大峡谷のさらに奥深くを探索し、生物多様性や未調査の樹木について調べたいとしている。