最新記事
航空機

CAや荷物が「宙を飛び、天井に激突した」...乱気流で急降下2回、衝撃を物語る機内映像

2023年3月3日(金)18時30分
コートニー・ドレイクフォード
飛行機内の様子(イメージ画像)

写真はイメージです PENG TIANLI-Shutterstock

<米テネシー州上空で乱気流に巻き込まれたルフトハンザ航空の旅客機。食事サービス中だった機内は大混乱に陥ったという>

3月1日夜、ルフトハンザ航空の航空機が飛行中に激しい乱気流に巻きこまれた。これにより、複数の搭乗者が負傷。同機は行き先を変更してワシントン・ダレス国際空港に緊急着陸した。衝撃の強さを物語る機内の様子を写した動画や写真もSNSに投稿され、注目を集めている。

■【動画】乱気流による揺れの激しさがありありと伝わる機内の様子を映した動画

米連邦航空局の広報担当者によれば、ルフトハンザ469便は、テキサス州オースティンを出発し、ドイツのフランクフルトへ向かっていた。離陸からおよそ90分後、このエアバスA330は、テネシー州の上空3万7000フィート(約1万1000メートル)で乱気流に遭遇した。

この便はその後、米国東部時間午後9時10分、ワシントン・ダレス国際空港に「安全に着陸した」と当局者は述べている。機体は、バージニア州北部にある同空港に「インシデントなし」で着陸したものの、搭乗者7名が近くの病院に搬送された。

ルフトハンザ航空は事故の発生を認め、運航乗務員が「予防的措置として、ワシントン・ダレス国際空港に緊急着陸させた」と声明で述べている。

客室乗務員が食事を配り始めたころに揺れが

乗客たちの証言によれば、機体は20秒間で2回にわたって急降下したという。この便の乗客のひとり、ジャズ・カンティプディ(Jazz Kantipudi)はNBCテレビに対し、客室乗務員がディナーを配り始めたころに乱気流による揺れが始まったと話している。

カンティプディは、1人の客室乗務員の体が宙に浮き、機体の天井にぶつかる様子を目撃したという。「彼は、立った状態でドリンクを配っていたので、踏んばることができなかった」と、カンティプディは当時の状況を説明した。

「一度、(飛行機が)急降下したときに、彼はまさに文字どおり天井に激突し、その後に落下して完全に横倒れになってしまった」

別の乗客がワシントンポスト紙に語ったところによれば、機体は「自由落下」状態になり、食べものや人などが「宙を飛び交い、天井にぶつかったり、果ては天井を壊したりしていた」という。この事故の直後の様子をとらえた動画では、機内の通路じゅうに食べものやクッションが散らばっているのが見てとれる。

さらにこの乗客は、自分の前に座っていた人が「ひどいケガ」を負い、座席に血が飛び散った、とも話している。この負傷者は、車椅子で機内から運び出されたと伝えられている。

ルフトハンザ航空はその後、謝罪を発表し、乗客には代わりの便を手配すると約束した。同社は声明のなかで、「乗客の皆様にご不便をおかけしたことをお詫びします。乗客と乗員の安全と健康は、いついかなるときでもルフトハンザの最優先事項です」と述べている。
(翻訳:ガリレオ)

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英生産者物価、従来想定より大幅上昇か 統計局が数字

ワールド

トランプ氏、カナダに35%関税 他の大半の国は「一

ワールド

対ロ軍事支援行った企業、ウクライナ復興から排除すべ

ワールド

米新学期商戦、今年の支出は減少か 関税などで予算圧
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 7
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 8
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 9
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 10
    ハメネイの側近がトランプ「暗殺」の脅迫?「別荘で…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中