<フライト中にメッセージを入力する隣の乗客──よく見たら「人種差別されていた」>

フライト中、「人種差別に遭遇」。その様子を収めた動画がTikTokで注目を集め、500万回以上も再生された。

【動画】隣の乗客が入力した「人種差別的メッセージ」の内容

動画の長さは10分。TikTokユーザーの@mizz_crizzyが投稿したもので、説明文には「初めて人種差別に遭遇」と書かれている。

動画では、カナダの航空会社大手・ウエストジェットのチケットを握る女性が、スマートフォンでメッセージを入力している。宛先は不明だが、その内容は隣に座る乗客に関してだった。

「私は窓の外を眺めている。隣2つの座席にはとても大きな、おめかしした黒人女性2人が座っている。そのうちの1人は非常に敵対的だ。私は彼女を困らせるために、とても愛想良くしている」

動画の中盤では以下のような声が聞こえる。

「私が敵対的?離陸中は荷物を座席の下に置いてくれと繰り返しただけだ」

女性はその後もメッセージの入力を続け、以下のようにつづる。

「トイレに行く時、障害があるという体で、別の座席を探してもらう」

すると今度はこのような台詞が聞こえてくる。

「心配しないで。協力してあげるよ」

この動画について問い合わせたところ、ウエストジェットの広報担当者はこう説明した。

「このような出来事があったのは確かで、状況把握のために全力を尽くしている。ウェストジェットにはあらゆる差別を許さないというポリシーがあり、従業員の行動全てにおいてインクルーシブであることを重要視。すべての人にとって安全でインクルーシブな環境を整えることを目標としている」

国際航空運送協会(IATA)が昨年12月に公表したレポートによると、ハラスメントや暴言を含む「手に負えない乗客による事件」は件数も深刻度も年々増してきており、マスク着用が義務となった際には著しく急増したという。

そしてIATAのデータによると、2017年には350件の痴漢行為、もしくは人種、性別、年齢に関連した差別行為が発生。同協会の広報担当者は本誌にこう語った。

「乗客にも乗組員にも、迷惑行為を心配せずにフライトを楽しむ権利がある。航空会社も乗組員も、人種差別を含む、あらゆるハラスメントに関する通報を深刻に捉えている。迅速に対応する上で、被害者による速やかな通報は欠かせない。対応は各航空会社で異なるが、まずは加害者への注意や座席変更がなされる事が多い」

なお事件が離陸前に起こった場合、加害者を飛行機から降ろしたり、警察に引き渡したりするケースもあるという。

@mizz_crizzyが投稿した動画には多くのコメントが寄せられた。「時間がかかりすぎ」とタイピングの遅さを茶化すコメントや、「こんなの狂っているよ」と投稿者に共感する声。また「おばあちゃんが不憫だ」と動画に映る女性に同情する意見もあった。

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