最新記事

野生生物

「幸運だった...」ボートが転覆、サメ・ワニ大量生息の海域で24時間近く耐え忍んだ男性の姿

Man Survives 24 Hours on Driftwood in Shark-Infested Waters: 'Very Lucky'

2022年12月22日(木)19時17分
パンドラ・デワン
サメ

(写真はイメージです) RamonCarretero-iStock

<ボートが転覆し、その後ほぼ丸1日、サメやワニが生息する海域でひとり耐え忍んだ男性が話題だ>

ボートが転覆した男性が、サメやワニが多数生息する海域で、流木にしがみつきながら24時間近くも生き延びた。彼は21日の朝、クイーンズランド州ヨーク岬半島とパプアニューギニアの間にある、トレス海峡でオーストラリア海上安全局(AMSA)に発見され、無事保護された。

【動画】絶体絶命──サメ・ワニ大量生息の海域で流木にしがみついた男性を保護

この行方不明者の捜索は、20日の夕方、クイーンズランド州水上警察から、乗客が乗った小型の船舶(ディンギー)の行方不明についてAMSAに通報があった後に開始された。AMSAは声明で「ディンギーは昨日ゲツライ島を出発したが、予定時刻までに目的地に到着しなかった」と述べた。

夜間の救助機による捜索は失敗に終わり、翌朝、ヘリコプターと警察船を加えた捜索が再開された。だが現地時間午前11時30分、転覆したディンギーが発見された。AMSAは「行方不明者はディンギーから約2キロの地点で漂流物にしがみついた状態で発見された」と話した。

トレス海峡地域は、クイーンズランド州北部半島地域の18の主要な島と2つのコミュニティから構成されている。クイーンズランド州北岸、ヨーク岬の先端からパプアニューギニアとインドネシアの国境にかけての1万8500平方マイルに広がる。

この海峡の海域は、サメやワニが大量に生息していることで有名だ。2020年、この海域で2人の漁師が、船の転覆から15時間後にベニヤ板にしがみついているところを発見された。男性によると、救助を待っている間に、サメが数メートルの距離まで近づいてきたという。

サメの専門家であるリチャード・ピアス氏は、このような状況においては、「水の中ではね回らないようにする」ことが重要であると述べる。

彼はCNNの取材で「サメを興奮させ、煽り、興味を持たせるだけです。泳いだり、水しぶきをあげたりすると、サメが探索や攻撃をしてくるように誘っているようなものです」と語った。

彼はまた「サメとアイコンタクトを保ち、自分をできるだけ大きくするよう心がけるべき」とも述べた。

今回の事件において、男性は「サメと接近遭遇することはなかった」と説明している。救出された後、彼は医療支援を受けるために木曜島へと運ばれた。

ニューズウィーク日本版 ガザの叫びを聞け
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏「米国の和平案推し進める用意」、 欧

ビジネス

米CB消費者信頼感、11月は88.7に低下 雇用や

ワールド

ウクライナ首都に無人機・ミサイル攻撃、7人死亡 エ

ビジネス

米ベスト・バイ、通期予想を上方修正 年末商戦堅調で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 10
    トランプの脅威から祖国を守るため、「環境派」の顔…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中