最新記事

動物虐待

ロシア兵が動物を略奪する映像に驚愕、木に吊るされた死骸も

Video of Russians stealing animals from Kherson zoo viewed 300k times

2022年11月15日(火)18時16分
クロエ・メイヤー

あるツイッターユーザーは、ハリウッド映画『プライベート・ライアン(原題の意味は兵卒ライアンの救出)』をもじって、『兵卒アライグマの救出』というタイトルに変えたポスター画像を投稿。ポスター中央には戦場にたたずむアライグマの姿があり、その後ろにウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とウクライナ軍の幹部たちの顔が並んでいる。

【パロディ画像】兵卒アライグマを救出せよ

一方で「窃盗団」の身元特定に乗り出した者たちもいた。一部のツイッターユーザーは、動画に映っている兵士の一人は、ロシアが併合したクリミア半島にある動物園のオレグ・ズブコフ園長ではないかと言った。彼は盗んだ動物を自分の動物園に持ち帰ろうとしているのではないか?と。

あるユーザーは、次のように投稿した。「(動画の人物は)ロシアの味方をしているクリミア動物園のオレグ・ズブコフだ。彼はヘルソンの動物園関係者の許可を得ずに動物を盗み、クリミアに連れていく気だ」

別の人物は、檻の中でライオンの赤ちゃんとトラと一緒に遊んでいる男性のYouTube動画を共有。この動画の中の男性が今回の動画の男の一人と酷似しているとして、動物を盗んでいるのはズブコフだと主張した。「動画の中の泥棒は、ロシアに占領されたクリミア半島にあるサファリパークのオーナーで、彼のYouTubeチャンネルの動画は100万回視聴されている」

軍事侵攻の開始以来、略奪が横行

本誌はこの疑惑について独自に確認を取ることはできておらず、ズブコフ本人にも問い合わせたが、本記事の発行までに返答はなかった。

動物泥棒の動画が出回った翌日には、さらに悲惨な画像が投稿された。ロシア兵が放棄したとされる場所で、木に吊るされた動物たちの死骸が見つかったのだ。ツイートを投稿したウクライナ国防省は、「彼ら(ロシア兵)にとって殺しは娯楽なのだ」と書いた。「人間を拷問し殺せないときには動物を殺す」

殺された動物のなかには、絶滅危惧種のタビキヌゲネズミの姿もあった。

【画像】木に吊るし処刑にされた動物たち

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が「特別軍事作戦」と称して、2月にウクライナへの軍事侵攻を開始して以降、ロシア兵たちが略奪や盗みをはたらいたという証言が数多く上がっている。

軍事侵攻開始から3日後には、ロシア軍がウクライナの銀行や食料品店を略奪している様子を撮影したらしい動画が、ソーシャルメディア上で広まっていた。一時帰還するロシア兵が、洗濯機や冷蔵庫などの家財道具を奪っていく報道もあった。ロシア軍が遊園地の乗り物を盗んでいく様子を捉えたとする動画も、インターネット上で共有された。

【動画】手当たり次第に盗み、持ち去るロシア兵

プーチンの軍がウクライナで、動物園の動物をはじめとするさまざまなものを略奪しているという主張について、本誌はロシア外務省にコメントを求めたが、本記事の発行時点までに返答はなかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

SNS情報提出義務化、米国訪問に「委縮効果」も 業

ビジネス

三菱UFJFG社長に半沢氏が昇格、銀行頭取は大沢氏

ビジネス

午後3時のドルは154円後半、米雇用統計控え上値重

ワールド

インド総合PMI、12月は58.9に低下 10カ月
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中