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「70億匹が消えた......」アラスカ・ベーリング海のズワイガニが大幅に減少し、禁漁に

2022年10月27日(木)19時07分
松岡由希子

この4年で70億匹のズワイガニが消えた...... YouTube-Inside Edition

<ベーリング海に生息するズワイガニが大幅に減少している。ズワイガニの個体数は2018年時点の約80億匹から2021年には10億匹に減少したという......>

北米西端のアラスカ半島とユーラシア東端のカムチャッカ半島に挟まれたベーリング海に生息するズワイガニが大幅に減少している。米アラスカ州漁業狩猟局(ADF&G)とアメリカ海洋漁業局(NMFS)は2022年10月10日、ベーリング海のズワイガニが漁を解禁できる基準に満たないことを理由に、「2022年から2023年のシーズンのズワイガニ漁を解禁しない」と発表した。

2018年時点の約80億匹から2021年には10億匹に減少

アメリカ海洋大気庁(NOAA)が2022年5月30日から7月29日にかけてベーリング海東部の海底375カ所で実施した調査では、ズワイガニの成体と未成体雌の個体数はこの50年で最少であった2021年からさらに減少し、成体の個体数は22%減、未成体雌では33%減となった。

米CNNの報道によると、ズワイガニの個体数は2018年時点の約80億匹から2021年には10億匹に減少したという。アラスカ州漁業狩猟局は、ズワイガニの禁漁を発表した声明で「このような資源の状況を鑑み、ベーリング海のズワイガニの管理は今、保全と再生に注力しなければならない」と訴えている。

ズワイガニは冷たい海水を好む。そのため、極寒のベーリング海東部や北太平洋は格好のズワイガニの漁場だ。生息に適した海水温はズワイガニのライフサイクルによって異なり、未成体はより海水温の低い海域で生息し、成体になるとやや暖かい海域に移動する。

なかでも、冬から春にかけて海氷の融解によって生じる摂氏2度以下の冷たい海水の層は「コールドプール」と呼ばれ、多くの海洋生物に避けられる海域だが、ズワイガニの未成体には適した生息地となっている。

ベーリング海の海水温が記録的に上昇

しかし、2017年から2019年にかけてベーリング海の海水温が記録的に上昇。2017年から2018年に海氷域が最小となり、2018年には「コールドプール」が初めて消失した。アメリカ海洋大気庁は「このような環境事象の後、個体数や生態系の変化が顕在化するまでには数年かかることがよくある」と解説している。

一方で、明るい兆しもみられる。2022年の調査ではズワイガニの未成体雄が2021年に比べて138%増、未成体雌は3902%増となった。調査を主導するアラスカ漁業科学センターのマイク・リゾウ博士は「ズワイガニの未成体の個体数が雄雌ともに大幅に増えたことはポジティブなニュースだ。どれくらい成体まで成長するかにもよるが、この数年の漁業にとって明るい光のひとつとなるだろう」とコメントしている。

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