最新記事

ロシア

「何世紀の銃?」 兵器不足のロシアで「70年前の兵器」の輸送が撮影され話題に

2022年10月21日(金)17時23分
ダニエル・オング
対独戦勝パレード

対独戦勝パレード(2021年5月) Maxim Shemetov-Reuters

<制裁や長引く戦闘に加え、「戦車や砲弾を置き去りにしたまま脱走する兵士たち」も原因となって、ロシアは深刻な物資不足の懸念に見舞われている>

ロシアがウクライナでの戦闘で使っているのは「旧式の兵器」だ――ウクライナ国防省が10月17日にこう指摘してロシアを揶揄した。ウクライナ国防省はこのSNS投稿に、1本の動画を添付している。そこには、ウクライナ側が「AZP-57対空機関砲」と特定した兵器が保管庫から出され、トラックに積み込まれる様子が映っている。

■【動画】これで戦える? ロシアの倉庫から引っ張り出されてきた「年代物」の対空機関砲

動画には、「十字路で彼らに出くわした。ウクライナ軍が防空システムの「IRIS-T」や「NASAMS」や「Aspide(アスピーデ)」を使いこなしている一方で、テロ国家(ロシアのこと)は倉庫から70年前のAZP-57対空機関砲を取り出してきて使っているようだ」と説明が添えられ、さらにこのような文章が加えられている。「ウクライナは自信を持って未来に踏み出している。一方のロシアは、彼らがいるべき場所――過去に戻りつつある」

問題の動画には、複数の男性がカメラに映っていないところで話している音声も入っていた。このうち一人(身元は明らかにされていない)も、「これはどんな種類の銃なんだ? 何世紀につくられたものだ?」と、ロシア軍が保管庫から古い兵器を引っ張り出してきたことを馬鹿にする発言をしている。

年末までに砲弾不足に直面する可能性

ロシアがAZP-57を何のために輸送しようとしていたのかは明らかでないが、ウクライナ国防省が揶揄するようなコメントをした背景には、ロシア軍が深刻な兵器不足の懸念に見舞われているという事実がある。

イギリスのベン・ウォレス国防相は10月中旬、英スカイニュースに対して、ヨーロッパと西側諸国による制裁が原因でロシアはウクライナよりも先に兵器が底をつく可能性が高いと指摘した。

8月にはロシアの独立系調査報道サイト「ザ・インサイダー」も、ロシア軍は2022年の年末までに、砲弾や迫撃砲、武装車両などの深刻な不足に直面することになる可能性が高いと報じた。同サイトはまた、ロシアが2月以降、ウクライナで少なくとも700万発の砲弾を使用していると指摘した。この推定値には、ウクライナ軍がロシア軍の前線にある弾薬庫を破壊した後に失われた砲弾の数は含まれていない。

同サイトは当時、「今のままの激しい戦闘が続けば、ロシアは2022年末までに明らかに砲弾不足に直面することになり、軍需物資を節約するために迫撃砲の使用を減らさなければならなくなるだろう」と報じていた。

ロシア軍の物資が激減しているのには、西側諸国による厳しい制裁やこれまでの戦闘で使った分とは別に、兵士たちが戦車や砲弾、榴弾砲を置き去りにしたまま部隊から脱走していることも影響している可能性があるという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

台湾、米関税対応で87億米ドルの支援策 貿易金融な

ビジネス

世界食料価格、3月前年比+6.9% 植物油が大幅上

ビジネス

EUは米国の関税に報復すべきではない=仏財務相

ビジネス

中国が対抗措置、全ての米国製品に34%の追加関税 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描かれていた?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 6
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のため…
  • 7
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 8
    テスラが陥った深刻な販売不振...積極プロモも空振り…
  • 9
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中