最新記事

ロシア徴集兵

銃創の止血にはタンポン、兵舎はまるで収容所、戦わずして死にそうなロシア徴集兵

Russian Conscripts Being Denied Food, Water After Complaining, Video Shows

2022年9月28日(水)17時41分
ブレンダン・コール

ウクライナ戦争への動員に反対するデモ(2月24日、セルビアのベオグラード) Zorana Jevtic-REUTERS

<予想もしない突然の招集に加えてこれほど悲惨な扱いで、戦える人間がいるのだろうか>

新たに戦闘に動員されたロシア兵たちがいかに厳しい状況に置かれているかを示すさまざまな動画が拡散されている。食料や備品も不足するなか、銃弾で負傷した兵士が、止血にタンポンを使えと指示される有様だ。

Ukraine Reporterがツイッターに投稿した動画では、1人の徴集兵が、自分たちの状況に不満を訴えた動画のせいで、所属部隊が罰を受けていると語っている。2日前に撮った「不満」動画のあとに起きたことを報告する内容だ。「状況はさらに悪くなる、と警告された。今日は、トイレの使用が制限された」。食料と水も与えられていない、と兵士は続けた。「まるでどんどん膨張する強制収容所のような様相だ」

また別の動画では、シベリア南部のアルタイ地方にいる部隊の女性上官が徴集兵たちに向かって、薬や止血帯を含めたあらゆるものを買っておけと話している。上官は言う。「防護具と軍服は支給されるが、それ以外は何もない」

■動画を見る

撃たれた傷の治療には、女性用タンポンを使えとも話している。「銃弾による傷を負った場合は、(タンポンを)傷口にじかに詰めれば、(タンポンが)膨らみ始める」

「必ず安いタンポンを買うように」と上官は言う。「自分の身は自分で守れ」

ベラルーシの報道機関ネクスタがツイートした「徴集兵の冒険パート1」というタイトルの動画は、兵士やバックパックなどの荷物でほぼ立錐の余地もない兵舎での、スペース争いを垣間見ることができる。

■動画を見る

ウクライナ軍の反転攻勢でロシア軍が膨大な損失を被った後、ウラジーミル・プーチン大統領は9月21日、深刻な人員不足を補うための予備役の「部分的動員」を発表。事実上は誰が招集されるかもわからないことも相まって、ロシア国内では怒りと衝撃が広がっている。

ロシア政府は予備役30万人を召集する予定だと発表したが、ここ数日の動画からは、動員現場は混乱を極めており、酔っぱらいの徴集兵を映した動画も拡散されている。

■動画を見る

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

NZ中銀が0.25%利下げ、景気認識改善 緩和終了

ビジネス

午前の日経平均は続伸、一時1000円超高 米株高を

ワールド

ウクライナ編入地域の「ロシア化」強化へ、プーチン氏

ビジネス

米FDIC、銀行の資本要件を緩和する規則案を承認
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    使っていたら変更を! 「使用頻度の高いパスワード」…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中