最新記事

ハンガリー

「グローバリストは地獄に落ちろ」いつもどおり暴言を吐くオルバン首相

Viktor Orbán Gets CPAC Standing Ovation for Telling Globalists 'Go to Hell

2022年8月5日(金)13時01分
キャサリン・ファン
オルバン・ビクトル

保守政治活動集会(CPAC)で演説を行うオルバン(8月4日、テキサス州)Go Nakamura-REUTERS

<移民やLGTBQの権利に反対を表明し、人種差別的な発言で批判の渦中にある「ハンガリーのトランプ」ことオルバンだが、米保守派集会でも強気の発言で聴衆の大喝采を浴びた>

訪米中のハンガリーのオルバン・ビクトル首相は8月4日、テキサス州で開かれた保守政治活動集会(CPAC)で行った演説の中で、グローバリストは「地獄に落ちればいい」と主張。会場に集まった人々から、歓声と大喝采を浴びた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に批判的なことから、ヨーロッパでは孤立気味なオルバンだが、ダラスで開催されたこの保守派会合では、移民やLGBTQの権利に対するその強硬な姿勢から、温かい歓迎を受けた。

2016年の米大統領で、欧州連合(EU)加盟国の指導者として唯一、ドナルド・トランプ(前大統領)を支持したことで知られるオルバンは、EUの指導者の中でロシアのウラジーミル・プーチン大統領と最も親しい人物ともみられている。

最近では、ヨーロッパにおける「混血」に否定的な発言をしたことで、批判を浴びている。

AP通信によると、オルバンは7月にルーマニアで行った演説の中で、「そのような(欧州人と非欧州人が混ざり合っている国は、もはや国家ではなく、複数民族の複合体にすぎない」と持論を展開した。

過激な発言に長年の側近が辞任も

さらにオルバンは「私たちは互いに混ざり合うことを望むが、混血の民族にはなりたくない」と述べ、こう続けた。「移民によってヨーロッパは、もっと言えば西側は二分されている」

この発言について、オルバンの長年の側近だったヘゲドゥス・ジュジャ首相顧問は、最も「残忍な人種差別主義者」でさえ、オルバンのこの発言を容認することはできないだろうと批判。オルバンの発言から数日後に辞任した。

オルバンはCPACで行った演説の中で、「西側諸国の未来は大きな危機に直面している」と述べ、次のように締めくくった。

「民主主義を掲げる西側諸国は20世紀に、全体主義に抵抗して団結し、ナチスドイツとソビエト連邦を打ち負かした。だが今の西側諸国が戦っている相手は、自分自身だ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中