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中国配信中のインフルエンサー元妻に火をつけた中国人男性に死刑執行
Cinemagraphy-YouTube/Cinemagraphy
<2020年、当時30歳のインフルエンサーは自宅からライブストリーミングをしている最中に元夫にガソリンをかけられ火を放たれた>
中国で元妻を殺害した罪で死刑を宣告されていた男性の刑が執行され、世間に怒りと恐怖が呼び起こされた。7月23日朝にアバ・チベット族チャン族自治州の裁判所にあたる中級人民法院が刑の執行をオンラインで発表した。男性は死刑を不服として控訴していたが、今年1月に敗訴し刑が確定していた。
事件が起きたのは2020年9月14日。チベット人で「Lhamo(ラモ)」の名で、山での採集や料理、チベットの民族衣装を着た歌のリップシンクなどの日常を動画で投稿していた当時30歳のインフルエンサーが、短編動画プラットフォーム「Douyin」で自宅からライブストリーミングをしている最中に元夫にガソリンをかけられ火を放たれた。
9月17日に四川省人民病院に移され治療を受けていたものの、数週間後にこの世を去った。当時「ラモは全身の90%に火傷を負った」と、姉が語っている。
暴力から逃げても恐怖は続く
地元メディアによると、元夫には家庭内暴力(DV)の前科があったという。何年にも渡って家庭内で虐待され、離婚に至ったとされている。
ラモはDouyinに88万5000人以上のフォロワーを持つ影響力のある存在だった。そんな彼女の死は、家庭内で虐待や暴力の被害に遭っている女性が、たとえ離婚できたとしても恐怖に怯え続けなければならない窮状を知らしめ、家庭内暴力の問題にスポットライトを当てるきっかけになった。
事件直後にWeiboでは、数百万人のユーザーが「#Lamu case」「#Lamu died after being fired by her exhusband」というハッシュタグを使って正義を広めようとしたが、後に当局によって検閲され削除された。
理不尽な離婚の壁
中国では2020年に入り、ラモの事件が発生する以前から、家庭内暴力に関わる痛々しい事件がいくつも発生。被害者の保護と正義の追求を求める世論が高まっていた。
2020年6月には、河南省の女性が夫の暴力から逃れるために2階の窓から飛び降り、下半身不随になったため、離婚は不成立になった。その後、この出来事がソーシャルメディアで全国的に注目されたため、裁判所は離婚を認めた。
中国は2016年にDVを刑事罰化している。それから6年経っても依然としてこの問題は横たわっている。特に過疎地の農村地域の実態把握は遅れている。
2021年に中国の民法が改正され、離婚を希望するカップルに30日間の冷却期間を義務付ける「離婚クーリングオフ制度」が導入されたことで、被害者が虐待的な結婚から離れることがさらに難しくなるという懸念の声が専門家らから上がっていた。
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