<地球環境の危機を訴えるアル・ゴア元米副大統領は、記録的猛暑が襲っても欧米諸国が気候変動に手をこまねいている現状を、多くの子どもたちを見殺しにしたあの事件になぞらえた>

環境保護主義者として知られるアメリカのアル・ゴア元副大統領は、気候変動に対して無策な人々を、テキサス州ユバルディの小学校で5月24日に起きた銃乱射事件で、廊下に集まりながら1時間以上も突入しなかった警官たちになぞらえた。

「気候変動の否定論者は、テキサス州ユバルディの小学校で子供たちが虐殺されている間、外で待機していた400人近い警察官たちと、ある意味でよく似ている。彼らは叫び声を聞き、銃声を聞いたが、誰も前に出なかった」と、ゴアはNBCの報道番組「ミート・ザ・プレス」で述べ、その動画が23日にツイッターに投稿された

銃乱射事件の犯人サルバドール・ラモス(18歳)は、ロブ小学校の児童19人と教員2人の教師を射殺した。先日、犯行当時の経緯が記録された監視カメラ映像が公開された。

この82分に渡る映像で明らかになった警察の対応の遅さに、怒りの声が湧きおこった。

ゴアはミート・ザ・プレスので、気候変動を「地球規模の緊急事態」と表現し、その影響に対抗するためにできることはもっとある、と付け加えた。

列車のレールも膨張

「私たちが気候変動に対して何もできずにいることと、ドアを開けて突入し、殺人を止められないことは、どちらも人間としてできるはずのことをしていない異常な事態だ」と、ゴアは語った。彼は2006年に出版された『不都合な真実』の著者としても知られている。

ゴアの発言はこのところの異常な気温上昇と関係している。アメリカとヨーロッパ各地は熱波に襲われ、一部地域では最高気温が40度を記録、山火事も発生した。

アメリカのアムトラック(鉄道旅客輸送公社)は22日、暑さのため列車の運行制限を行うことを発表、猛暑によりレールやワイヤーが膨張する可能性があるためだ。レールの温度が一定上上昇すると列車の速度を落とすため、運行にも遅れが生じる。

「私たちには解決策がある」と、ゴアは言った。「こうした異常気象が着実に悪化し、深刻化していることで、人々の考えは変わり始めていると思う。私たちは国家として団結し、気候変動を政争の具にするのをやめなければならない。党派的な問題にしてはならない」

ゴアは19日にも、ヨーロッパの記録的な猛暑に言及したツイートで、こうつぶやいた。「あと何回記録が破られ、コミュニティーが焼け落ちれば、気候変動を止めるために必要な行動がとられるのだろうか」

科学者の警告は当たる