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トラベル「世界最強」パスポート最新版の結果発表 アジア勢がトップ3も恩恵は少なめ
Top 3 World's Most Powerful Passports Of 2022 Come From Asia
belterz-iStock
<世界で最も信頼度が高いパスポートに輝いたのは今回も日本のパスポートだった。だが、実際にはその「強さ」は欧米諸国ほど活用されていない>
移民コンサルタントのヘンリー・アンド・パートナーがまとめた「ヘンリー・パスポート指数」の最新版が発表され、「世界最強」パスポートのトップスリーはいずれもアジア3カ国という結果となった。
これは所持者がビザを事前に取得することなくアクセスできる渡航先の数で、世界のパスポートをランクづけしたもの。渡航情報に関する世界最大かつ最も正確なデータベースとされる、国際航空運送協会(IATA)のデータを基に作成されている。
2022年第三四半期の世界1位は日本で、日本のパスポートを保持している人は、事前のビザ取得なしに193カ国に問題なく入国できる。続いてシンガポールと韓国のパスポートが192カ国で、同点の2位につけた。そのほかのアジア諸国は、トップ10には入らなかった。
3位は190カ国にアクセスできるドイツとスペインのパスポート。フィンランド、イタリアとルクセンブルクのパスポートが189カ国で同点4位だった。
5位はオーストリア、デンマーク、オランダとスウェーデン。いずれの国のパスポートも、188カ国にアクセスが可能だ。
フランス、アイルランド、ポルトガルとイギリスのパスポートが6位。ベルギー、ニュージーランド、ノルウェー、スイスとアメリカが7位だった。
その後に続くのは、オーストラリア、カナダ、チェコ共和国とギリシャが8位、ハンガリーが単独9位、リトアニア、ポーランドとスロバキアが10位だった。
ランキング最下位はアフガニスタンで、この国のパスポート保持者がビザ取得なしでアクセスできる国は、わずか27カ国だ。
アジア諸国は欧米よりパスポートの強さを活用せず
CNNは、アジア諸国は新型コロナウイルス感染症に対して、ほかの国々よりも慎重な対応を取っているため、ヨーロッパやアメリカの人々に比べて、自由に旅行できる権利をあまり活用しない傾向にあると報じている。
IATAの最新の統計を見ても、アジア太平洋地域では航空需要(国際線の乗客数)がパンデミック前の5分の1に達していない。ヘンリー・パスポート指数によれば、これと対照的にヨーロッパと北米の国際線乗客数は、パンデミック前の約60%に回復している。
ヘンリー・パスポート指数とよく似たものに、カナダの金融コンサルティング会社アートン・キャピタルが作成するパスポート・インデックスもある。事前のビザ取得なしにアクセスできる渡航先の数で、199のパスポートのランクづけを行っているものだ。
アートン・キャピタルのインデックスでは、国連に加盟する193カ国に加えて、台湾、マカオ、香港、コソボ、パレスチナとバチカンの6地域のパスポートを評価しており、2022年のランキングでは、事前のビザ取得なし又は到着ビザで171カ国に問題なく入国できるアラブ首長国連邦のパスポートが1位に輝いた。