最新記事

SNS

罰金1800ドル! サンドイッチの「食べ残し」が女性にもたらした悲劇

How One Subway Sandwich Cost a Woman $1,800

2022年7月16日(土)13時35分
シーラ・リ・バートフ
サンドイッチ

burakkarademir-iStock

<機内で食べ残したサンドイッチを税関で申告しなかったことで、あまりに高額な罰金を科された女性にソーシャルメディアで同情が広がる>

オーストラリアのある女性が、旅行にまつわる不幸なミスから、サンドイッチチェーン「サブウェイ」のサンドイッチ1個に2000ドル近くを支払う羽目になった。ジェシカ・リーというこの女性は、7月1日にTikTokに投稿した動画の中でその経緯を説明しており、動画はこれまでに20万回近く視聴されている。

リーは明らかに取り乱した様子で、「もう泣きそう」と話し始め、両手の中指を突き立てて「政府なんてクソくらえだ」と不満をぶちまけた。「サブウェイのサンドイッチに2664豪ドルも払ったのよ」と彼女は言った。2664豪ドルは、約1800米ドルに相当する金額だ。

「11時間のフライトの後でお腹がすいていたから、シンガポールの空港で長さ約30センチくらいのサンドイッチを買った」と彼女は説明を続けた。「次のフライトの前に半分食べて、残りの半分は飛行機の中で食べようと取っておいた」

しかし彼女はオーストラリアに到着する飛行機の中で、残りのサンドイッチを食べきることができなかった。そして到着後に受け取った申告用紙が原因で、サンドイッチの値段が跳ね上がる羽目になった。

申告違反は刑事罰の対象になる可能性も

「到着時の税関申告は、預けた荷物と機内持ち込みの荷物について行うものだと思っていた」と彼女は述べた。「だから鶏肉の欄にも、レタスの欄にもチェックを入れなかった」

そして彼女は、申告用紙をカメラに向けて金額の欄を指さし、こう続けた。「その結果、28日以内に2664豪ドルを支払わなければならなくなった」

「この旅行の前に仕事を辞めているし、家賃も払わないといけないのに」とリーは動揺した様子で述べた。

オーストラリア国境警備隊によれば、同国への入国にあたって「バイオセキュリティー上のリスク」をもたらす可能性がある品目の申告を検疫で怠った旅行者は、最高2664豪ドルの罰金に加えて、民事上の罰則の対象になったり、場合によっては刑事上の罪で訴追されたりする可能性もある。政府が違反者のビザを取り消し、入国を拒む可能性もある。

2019年にはタスマニア在住の農業従事者が、2000個を超えるニンニクをこっそり国内に持ち込もうとした罪で有罪となり、禁錮11カ月と罰金2000豪ドル(1370米ドル)を科された。ニンニクは、数百種の植物を枯らしてしまう感染性の細菌「キシレラ・ファスティディオーサ」の宿主植物として知られており、オーストラリアではバイオセキュリティー上の大きな脅威と位置づけられている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 8
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中